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くねくねとは、身体をくねらせる謎の物体である。
その正体が生き物なのか、幽霊なのか、妖怪なのかは定かではない。

この謎の物体の特徴を挙げると

・色は基本的に白い。(しかし稀に黒いくねくねも居るという)

・人間離れした動きで身体をくねらせている。

・真夏の水田、または川原や水辺、あるいは山や森の中で目撃される。

・くねくねを遠くから見る程度では問題はない(うっすら見えるぐらいで正体はわからない程度)

が、双眼鏡などを使って詳細を知ろうとし、正体がわかるにつれて、顔が青ざめ、精神に異常をきたし、廃人になってしまう。

・最大の特徴が、最後の部分「精神に異常をきたし、廃人になってしまう」である。

色が白い変な生き物というだけならば、UMAの可能性もあるが、
精神を異常にきたすと言われており、見てはいけないものとされている。

この都市伝説が広まった由来の一つとして、このような話がある。

『ある日、年に一度のお盆にしか行かない祖母の家についた私は、
大はしゃぎで姉と外に遊びに行きました。
田舎なので、都会とは違うおいしい空気を吸いながら、姉と田んぼの周りを見ていました。
そして、真昼に差し掛かった頃、それまで吹いていた涼しい風がピタリと止み、
生暖かい風が吹いてきました。
私は「急にどうして生暖かい風が?」と、疑問を抱きながら姉の方をみると、
姉は、遠くにあるカカシをずっとを見つめています。
私が「あのカカシがどうかした?」と尋ねると、姉は「いや、その向こう側…」と言って、更に凝視していました。
私も気になり、カカシの向こうをずっと見ていました。
すると、確かになにか見える。
何だろう、あれは。
遠くからではよくわからないけど、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いてました。
周りには、カカシと田んぼだけしかなく、人もいない。
あんな所でずっとくねくねしている物体に恐怖を感じたけど、きっと
新種のカカシなのだろうと思い、姉にそう話した。
すると姉は「じゃあ、双眼鏡で見てみよう!」と、家から双眼鏡を持ってきて、
姉が双眼鏡でその物体を見た。
その瞬間、姉の顔がみるみる青ざめて行き、冷や汗をだらだら流して、その場に倒れこんでしまった。
姉に「一体どうしたの!?」と聞くと姉は「ワカラナイホウガイイ…」と、呟きました。
その声は、姉ではありませんでした。
私も見ようと双眼鏡を手に取ると、祖父が大急ぎで駆け寄ってきて
「お前も見たのか!?あれを!あれは見てはならん!」と、問い詰められました。
私が見ていないことを説明すると「よかった…」と安堵し、うなだれる姉を運び帰路に着きました。
その後、姉はあの物体を見たせいで狂ってしまったと説明された。
姉はずっと笑いながら、あの物体のようにくねくねと動いている。
私はその姿に恐怖し、泣いてしまった。
そして家に帰る日、祖母がこういった。
「このまま帰っても、世間の目があるだろう。ここにいたほうがマシだ」と言われ、姉とはお別れになりました。
帰る際、姉は泣いているように見えました。
遠ざかっていく姉を双眼鏡で確認すると、確かに泣いていました。
変わってしまった姉をみて、また泣いてしまいそうになるのを堪え、
双眼鏡を目にあてたまま、車の前を向こうとして窓際を向いた時に…見えてしまいました。
姉が見てしまった、くねくねの正体が。

実際にあったかどうかは不明だが、このような話から、
怪談話の一つや、都市伝説として広まったとされている説がある。
正体は田んぼの神様などの説もあるが、定かではない。
そうだとしても、呪われてはたまったものではない。