「死体洗いのアルバイト」に関するデータ

都市伝説といっても、様々なものがありますが、
その中でもよく聞くのが「死体洗いのアルバイト」です。

一体どんなものかというと、大学の医学部で解剖実習を行うために遺体が必要なので、
その実習のために「遺体を洗う」という内容です。
ホルマリンで満たされたプールの中に遺体があり、
それがぷかぷかと浮いてくるので、棒などで突いて、遺体を沈めるという作業です。

つまり、学生の勉強のために解剖が必要だけど、解剖前に遺体の洗浄や保存が必要なので、
洗ってくれ、という事なんでしょうね。

遺体を見て、且つ洗うわけですから、その分報酬は高い(日給1万〜2万程度)とされています。
しかし、いくら解剖実習のためとはいえ、そんな仕事が本当にあるのか?と、疑わしいですよね。

実は、この都市伝説が広まった一説に、ベトナム戦争が関連しています。
それは、ベトナム戦争では、戦死したアメリカ兵の遺体に
死化粧を施して綺麗にしてあげる行為(エンバーミング)があった事から、
こういうバイトがある、という都市伝説が生まれたようです。

実態は、そういったアルバイトはないとされています。
そもそも、上記に書いたホルマリン漬けのプールに関してですが、
ホルマリンに関しては、ホルマリン中毒の観点から、使用料は厳しく制限されているそうで、
プールのように浸すという事はまず不可能で、そもそもそんな事をしてしまえば、
ホルマリンは揮発性が非常に高く、しかも有毒なために、大量に吸い込んでしまうと、
死に至るので、ホルマリンプールなどはありえないという事です。

そして、遺体の保存に関しては、専門の知識を持っている人が、
大腿動脈から保存液を注入し、一体一体別々に保管庫で保管するそうです。

なので、アルバイトにそんな危ないことはさせないし、そんな仕事もないそうです。

しかし、この話は「報酬が高い」という理由から、多くの医科大学に問い合わせが殺到したそうです。

ある話では、その問い合わせを受けた職員が、
「そんなに給料がいいなら、私がやりたいですよ!」と、余りの殺到ぶりに、
怒鳴ったという話もあります。(ジョークかもしれませんが)

このように、解剖実習のための死体洗いは存在しないそうですが、
葬儀のために行われる湯灌(ゆかん)において、遺体を洗浄(入浴)させる場合があるそうです。

この作業に関しては、特に厳しい制限は課されていないそうで、
アルバイトも遺体に触れていいそうです。その際の日給は、上記に書いたのと同じように、
1万円〜2万円程度だとされています。

しかし、業者や地域による差があるそうで、
「厳粛な行為だから、アルバイトに遺体を触らせる事は出来ない」とする業者や地域もあるそうです。

その際に、死化粧も施すそうです。
映画「おくりびと」を見たことがある方は、想像がつくのではないでしょうか。

実在するバイトは、とても厳粛な仕事のようですね。
問い合わせをする人も、本当にしたのなら、勇気があるなぁと思いますが、
お給料がいいとなると、気持ちもわからなくはない…と思ってしまいますね。