シェイクスピアの4大悲劇にマクベスという作品がある。将軍が魔女の予言で王様を殺し、自分が王様になるが重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、最後には貴族や王子に復讐され殺されてしまうという話である。

マクベスを演じる役者たちが絶対にしてはいけないことがある。それはセリフ以外で絶対にマクベスと言ってはいけないというものだ。マクベスは初演以来、不幸に見舞わてれきた歴史がある。

・1606年に初めて上演された時、Hal Berridgeという少年がマクベス夫人を演じたが、高熱のために亡くなってしまった。
・1942年にJohn Gielgud主演でこの作品が上演されていた時には、3人の俳優が亡くなり、衣装係の1人が自殺を図った。
・1953年にBermudaで上演された際には、初日の晩に、城が炎上するシーンで本当の火災が起きた。

そこで劇場ではマクベスとは言わず「The Scottish Play」と呼ぶ。万が一マクベスと言ってしまった役者は、劇場の外へ出て、時計回りに3回回りながら、できる限りの悪態をつく。そして、劇場の中から誰かに「お入りなさい」と言われるまで入ってはいけない。このおまじないでマクベスの呪いを解くことができると言われている。