富士山の北西に広がる「青木ヶ原樹海」は、面積が30平方メートルと広大で、これは山手線の内側の面積に匹敵する。

付近にはキャンプ場や自然公園などがあり、樹海の中を通り抜けられる遊歩道も整備されているため、景観の美しさと相まって人気の観光名所である。

しかし、樹木が多く深い森であるため、少し道を外れてしまうと元の場所に戻ることが非常に困難である。そのため、観光名所の裏側で「自殺の名所」としても有名であり、遊歩道からそう遠くない所で自殺者の遺体や遺留品が見つかることも多い。

毎年多くの自殺志願者が訪れる樹海であるが、彼らとは別の目的を持った人達も多く訪れるのだという。

それは、自殺者を狙う「殺人マニア」と呼ばれる人達である。

彼らは人を殺すことに快楽を感じる異常人物で、樹海にやって来た自殺志願者を襲って殺すために樹海に潜んでいるのである。

遺体は発見されたとしても白骨化しているケースが多く、殺害されたということが分かりにくいため、「殺人マニア」の存在が世に知れ渡ることはないのだ。

なお、樹海では方位磁石が使えなくなるという噂があるが、実際には1~2度程度の若干の狂いが生じるだけだと言われている。