気がつくと、見なれた教室の中にいる。 しかし、なぜか誰もいないばかりか、動くものすらない。 外に出てみると、晴れた昼間なのに、空は青くなく 見たこともない色。
あせって、誰かを探す。 すると、作業員風のおっさんと出会う。
「帰れ。ここには二度と来るな。」
おっさんがケータイを操作すると、いつの間にか、いつもの世界に戻っている。
おっさんの姿が無いが、体験したことが夢だったとは思えない。 しかし不思議なことに、おっさんの顔はどうしても思い出すことができない。
都市伝説で有名な 「時空のおっさん」 ですが、これは脳が生み出した幻である、という説が有力です。
人間には 「意識」 というものがありますが、実は 「意識」 的に物を考えているつもりでも、脳内では 「意識より上のレベル」 で作業をしています。
そして脳は、それを 「意識レベルで考えて結論が出たよう」 に錯覚させている、ということがわかっています。
脳には、その 「意識」 と 「意識より上のレベルのもの」 のほかに 「記憶」 があり、効率を良くするため、「顔のような変化しやすいもの」 と 「建物のような動きが少ないもの」 に分けて記録していることもわかっています。
このような実態を知れば、時空のおっさんの正体が見えてきます。
現実世界と脳内をつなぐ 「意識」 が、何らかの原因で、脳内の 「動きが少ないものを記録している領域」 に迷い込んでしまったのです。
動きが少ないものの記録領域ですので、動くものが無くても当然です。 また、変化しやすい空の色を記録していないので、空に異常な色を当てはめてしまうのです。
さて、そんなところで活動するおっさんとは何者でしょうか。
これこそ 「意識の上のレベルのもの」 です。 間違ったところに迷い込んだ 「意識」 を、あるべき場所に戻すわけです。
おっさんの顔については、脳内で顔の記録領域とつながらなくなっていたとすれば、そもそも記録できないので、思い出せないのは当然です。
また、多くの体験談で 「作業員風」 だったというのは面白いと思います。 「意識」 は 「意識の上のレベルのもの」 をワーカーと認識していて、ワーカーというイメージから人物像が作られた可能性が高いからです。
なお、ケータイについては、「操作するもの」 のイメージから引っ張られたものでしょう。
このように考えると、 「建物などの動きの少ないものの記録領域」 は、 「顔などの変化しやすいものの記録領域」 にはつながりにくいけれども、 「イメージやエピソードを記録する領域」 とはつながりやすいようです。
「意識」 が、脳内で 「意識の上のレベルのもの」(時空のおっさん)に出会って、何か聞く ・・・ もしかして 「お告げ」 は皆、このようなことなのでしょうか。
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興味深いですね。
時空のおっさん、もっと昔の時代とかなら時空のお役人、とか、ケータイの無い時代とかでしたら、ゆびぱっちんで忍者を呼んだりとかですかね。
そういえば、購読しても都市伝説は新着通知が来ないのですね(´・ω・`)