これは他県の暴走族仲間から聞いた話です。
ホントかどうか分からないですが
その暴走族仲間(Aと名付けとく)Aと俺は地元が一緒で昔から仲良くて2人でよくつるんでヤンチャして警察にも何回も厄介になっているのですが
Aは犬が大好きで愛犬(ジョン)がおり毎日のように散歩に連れて行ってるという正直Aの顔からは想像出来ないくらい意外な
一面のある男だ。
Aは他県に引っ越す事になり、もちろんジョンと一緒に引っ越した
引っ越した先でAは族に入り新米として扱われてましたが族の頭には可愛がられていました。
ある日Aはジョンの散歩をしていると後ろからきた車がAとジョンのすぐ近くを通りすぎた
その瞬間車のタイヤと、
ジョンを繋いでた細い鎖のリードが絡まり
絡まったリードがジョンの首に巻き付き
首と胴体が離れて死んでしまいました…
月日が経ちジョンが亡くなった悲しみも少し薄れてきた頃
Aの携帯に族の頭から電話がかかってきた
頭「今日は一番先頭を走らせてやる」
Aは喜び、気合いを入れていつものたまり場まで単車を走らせていた
ふと、後ろを見ると何かが物凄い勢いで走ってきます
あっという間にAの走っている隣までその何かが来た時Aは目を疑った
その何かは首のないジョンだった
Aは怖いながらも先頭を走らせてもらえるという事だったので無視して走っていたがジョンはずっと隣を走っていた…
でも隣を見るといきなりジョンはいなくなりAは視線を前に戻したその時目の前にはジョン…慌ててブレーキをかけた
Aは擦り傷と骨折ですんだが単車はもう使い物にはならなかった
Aはその日族の集会には行けずもちろん先頭も走れず病院で横になっていた
Aはジョンを恨んだ
あんなに可愛がっていたのに…
そうこうしていると携帯に電話が…同じ族の先輩からだった
Aは携帯にでた
先輩は震える声で「ウチの族の頭が首を切られて死んだ…」
先輩は続けた
「今日走った道にピアノ線が張ってたらしく一番先頭を突っ走っていたらちょうど首にかかり首と胴体が離れた」
後から続いて走ってきた奴らはブレーキが間に合って大丈夫だったらしい
電話はそこで終わった
Aは呆然とした
Aの脳裏に浮かんだのはまずジョン…まさかあの時ジョンが止めてくれたのか…俺があのまま先頭を走っていたら…
俺のかわりに族の頭が死んだ…
俺のせい…
でもジョンが知らせてくれたのか…
…ジョン…
正直、族のヘッドの事じゃなくジョンとの思い出、一緒に散歩した事
頬っぺた舐められたり じゃれあったりした事が次々と思い出され
Aは溢れる涙が止まらなくて子供のように泣いた
Aは今でもジョンの首輪についていた鈴を携帯ストラップにしてつけている。
彼は今はもう族は辞めて鳶で働いている
後から聞いた話だが
なぜピアノ線が張ってたかというと
他の族チームがAの入っていたチームを潰す為に張ったらしい
怖い話投稿:ホラーテラー たっ君さん
作者怖話