中学生の頃、深夜に山頂の神社に行く事にした。
メンバーは悪ガキ三人。
夏休みが暇過ぎたのがいけない。皆、親に黙って山の入口に集まった。
もちろん、深夜という事もあって、静寂が辺りを支配していた。
山頂までは2ルートある。一つは一般山道。もう一つは途中、養豚団地がある山道。この養豚団地ルートは地元では危ないと評判だった。
養豚団地までは安全なのだが、そこから先は行ってはならないという。
地元の年寄り連中はいつもそう言っていた。
理由は『雀蜂がでるから』
しかし、一年中、この理由はおかしい。繁殖期の9月ならわかるのだが。
真っ暗闇の中、獣道に近い山道を一時間登り続け、養豚団地裏に着いた。
――すえた家畜の臭いが漂っていた
ここから、山頂までは、更に二時間はかかる。
俺達は、学校の事や好きな娘の事などを話しながら登り始めた。
暫くして、Aが不気味な発言をした。
『なんか、女性の笑い声が聞こえないか?』
耳をすませた……
フフフッ
聞こえた。確かに聞こえた。そのまま三人は息を殺して、じっとした。
フフフッフフフッ
上の方から、女性が下りてくるみたいな感じがした。
やがて、朧げながら正体が見えた。
白装束で髪が斑に生えていて、異様に腕が長い(普通の人の四倍くらい) 人モドキが俺達目掛けて走ってくるではないか!
『あいつはやばいやばいやばい!にげるぞ!』
Bは金切り声をあげて急いで山を駆け降り始めた。俺とAも急いでその背中に続いた。
足が縺れながらも、出口を目指した。
――20分後、事態は急転する
俺達は山頂に向かい山を駆け上がっていた。勿論、間違いでも、パニックを起こしたわけではない。断言する。
俺達は究極の二択を迫られていた。
暫くすると、俺達を追い掛けていた白装束の怪物女が見えた。
それでも、俺達は山頂を目指した。
白装束の脇を俺達は凄い勢いで摺り抜けた。
怪物は
『逃がさないぞおお』
と背後で発したかどうかくらいで、怪物は悲鳴を上げながら、俺達と同じ山頂へ走り始めた。
長い腕で起用に白装束の裾を捲くりあげて、短い足をフル回転させて走っていた。
俺達と白装束の怪物を下から猛スピードで追い掛けてきた者……それは……
『やっほほ〜い』
(´・ω・)ノシ
えのきじじぃである
『ぎゃああああああ化け物おおお』
どうやら白装束の化け物は捕まったみたいだ。断末魔が背後で聞こえた。
俺達は尊い犠牲を払ってえのきじじぃから逃げおおせた。
山頂に着いた俺達はせめてと、山頂に白装束の怪物の墓を作り、一般山道から帰宅した。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話