ある高層ビルには裸足の女がいるという。
そのビルは会社の他に洋服屋、雑貨屋、飲食店等あり俺もよく利用している。
裸足の女が本当にいたとしても、かなり高いビルだから俺は遭うことはないだろうし、ただの噂話に過ぎないだろうと思った。
ある日、いつものように彼女と夕食を食べに行き、その後お手洗いに行った。
珍しくトイレに人が一人もいなくてラッキーと思った。
用を足して手を洗い、全身鏡で身嗜みを確認しようと鏡を見たら俺の約3m後ろに女がいた。
髪は長くてボサボサで顔にかかって顔は見えなかった。例えるなら貞子だ。そして噂通り裸足だった。
俺は硬直してしまい、ずっと鏡に写る後ろの女を見ていた。
すると
「あー・・・あー・・・」
と言いながら女はゆっくり近づいてきた。
俺は我に返り全力でトイレを出た。そして待っていた彼女をビルの出入り口まで引っ張り帰宅した。
そのビルはこれからも利用するけど、一生トイレは使わないと誓った。
それにしてもなんで男子トイレにいたのだろうか?
怖い話投稿:ホラーテラー sagaすさん
作者怖話