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短編2
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妹は可愛い。4歳年下で小学生の頃は無邪気でぼんやりしている妹が、知らない人に誘拐されないかとか少し不安だった。

両親が海外に良く行くから、居ない間は俺と妹は分担して家事をする。本当良い子だ。

中学に上がってから若干大人っぽくなったけど、まだまだ子供…

でも、周りはそうじゃなかった。

「あのね、同じ部活の先輩から今度遊園地行かないか誘われて。すっごく楽しみ」

ある日夕食中に笑顔でそれを言われた。

…デート。

観覧車とかに乗ったらその先輩に何されるだろう。妹は訳も分からず怯えながら、キスとかされるかもしれない。告白されて付き合ったらどうしよう…

軽くパニックになった。

「…どうしたの?」

床に箸を落としたまま、呆然とする俺に対して不思議そうな表情で尋ねる。

「…駄目だよ」

「え?」

「行っちゃ駄目だ」

そこから先は良く覚えていない。

気がついたら、妹は泣いてた。

手足にロープで縛られ、押し入れに閉じ込められて。

「…ごめんなさい。行かないから。ごめんなさい…お兄ちゃん勉強で忙しいもんね。私だけ楽しい事しようとして…イライラするよね」

まるで検討違いな事を言ってくる。

「…もう明日から学校行くな」

「…え?」

「大丈夫。俺がこれから先、ずっとお前を面倒見ていくから。そこで大人しくしていれば良い」

それから、ずっと俺は妹の世話をした。ご飯も3食与えてロープを痛がるから外してあげて、その代わり部屋に鍵をかけた。

退屈しない様に本も、ちょくちょく与えた。それでも余程退屈なのか、俺が休日前の夜は喜んでいた。

ある日、来週帰ってくると親から連絡が来た。

どうしよう…これは不味い。怒った親が俺たちを離ればなれにさせるかもしれない。

「…どうしたの?」

食後のプリンを食べながら、妹は不思議そうに尋ねてくる。

続きます

怖い話投稿:ホラーテラー 家さん  

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