この話は怪談というよりも不思議な体験といったほうが正しいと思いますが...
私が中2の冬の時、友達(K君)の弟が亡くなってしまいました。K君は私と同じ部活に所属していたので部活のメンバーみんなで葬式に行くことになりました。
私達の部活は人数が多かったので4、5人ずつに分かれて式場に行くことになりました。
当日、私達の班は葬式が始まる3時間程前に集まり式場へ出発しました。(距離も結構あったしチャリだったので)
ところが式場へ向かう途中、道に迷ってしまいました。事前に配られた地図を見ても式場はもうそんなに遠くないはずなのにどうしてもたどり着す。 いろんな道を通っているうちに葬式が始まる時間になってしまいました。それでも何としてでもたどり着いてやろうと諦めずに式場を探し続けました。
しかし、どうしても見つけることができず、「そろそろ諦めて帰ろうか」とみんなで話していた時、 道の向こう側から自転車に乗ったおじさんがやってきて私達に「K君の弟のお葬式にいくのかい?」と話しかけてきたのです。私達はそれまでの経緯を全て話しました。すると、そのおじさんが「じゃあ式場まで連れてってあげるよ」と言って私達を案内してくれたのです。すると不思議なことに10分位で式場に着いたのです。
結局私達が式場に着いた時には葬式が終わってからもう2時間も経っていました。それでも式場にいたK君に会うことができ、「元気出せよ」と言って帰りました。家に着いて家族に「途中で迷ったけど知らないおじさんのおかげで式場まで行けた」ということを話すと母と姉が絶対にそれはおかしいと言うのです。
まず、私達は制服(みんな喪服を持ってなかったので制服でいいと言われた)の上にウインドブレーカーを着ていました。普通に考えたら部活帰りの中学生にしか見えません。なのになぜ葬式に行くとわかったのでしょう?それもK君の弟の葬式に。
しかも式場に着いてからそのおじさんは 私達と式場に一緒に入ったのに5分もしないうちに外へ出ていったのです。これは私がはっきりと見ました。
当時は式場に行くことに必死だったのでそのおじさんのことなど特に考えていませんでした。でも今思うと不思議でなりません。
あのおじさんは何者だったのでしょうか?
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話