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短編2
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招かざる客1

犬○峠。福岡の方なら皆さんご存知の心霊スポット。その近くにも心霊スポットがあるのをご存知だろうか?

暑い暑い10年前の夏、私とK、S、Mの4人はドライブを楽しみ帰路についていた。

K「あ、道間違えた。」

S「直線で帰れるのに間違えるわけねぇやん。」

K「朝までドライブやけーんっ」

私「半端にテンション高いしっ」

気の合う仲間とCDを聞きながら、くだらない話。綺麗に舗装された道は徐々に傾斜を高めていく。

S「山に行くんかな?」助手席のSが問う。

K「行ったことないけんわからん、つーか後ろの二人何か喋れやっ」

後部座席の私とMは山を登り出した頃から話すことをやめていた。半端に霊感のある2人。

M「帰った方がいい」

私「その方がいいね」

急に車が止まる。

M「どした?」

K「前見てみ。行き止まり。」

前方には踏み切りの様にバーが横たわり進入禁止の文字。

私「帰るしかないね。行き止まりやし。」

Uターンをして帰る車の中で私は平静を装う。出来るだけ平静を装う。横のMと目が合う。私は確信する。

車の横に女が立っているのだ。いや、立っているという表現はおかしい。こちらは車で移動しているのだから。

車の横からこちらを覗いている。完全なる平行移動。

氷がテーブルを滑る様に、冷たく笑う顔面を前後にも左右にも動かす事なく、闇に溶けるような赤い服を着た女が、虫を払うかのように、ゆっくりゆっくり手首を動かしながらついてくるのだ。私は余りに恐ろしさに、逆に目を閉じる事が出来ずにいた。

その時、流していたCDの音が急に飛び始めた。後部座席2人の異変に気付いたのかKがアクセスを踏み込んだ。

CDが普通に流れだし、少し落ち着いた後部座席の2人にSが話しかける

S「どうした?何かあっ…」

ドスン!!!!

言葉を遮るようにトランクの中に何か落ちる音がした。トランクの上でなく、中に落ちる音がしたのだ。固いものではない、例えるなら肉の塊を落としたような…

続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー マヨさん  

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