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短編2
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偶然

俺がまだ中学生だった時の話

その日、俺は家族で旅行に来ていた

一通り観光を楽しんだ後ホテルで夕食をすませる

風呂も済ませくつろいでいると、父がある提案をした

「折角じゃけ散歩でも行こうや」

母、俺、姉は賛同したが、妹は断った

こうして俺達は四人で散歩に出掛けた

少し歩いていると小雨が降りだす。母と姉は嫌そうだったが、俺と父は全く気にしない。むしろ湯冷ましには丁度いいぐらいに思っていた

「もう帰ろう」

信号待ちをしながら姉がそう言った時だった。俺達とは反対の車線にいた人が車道に飛び出した

車は急ブレーキを踏むが間に合わない

その人はマネキンの様に宙を舞い車の後方に落ちる

両親と俺は声がでない。姉だけがキャーキャー悲鳴をあげていた

車から出てきたカップルはすぐその人に駆け寄る

だが、その人を見た瞬間、男の方は膝から崩れ落ち、女は泣き出した

「救急車じゃ!」

父が叫んだ

それを聞いた母がホテルに走り出す。父は倒れた人の元へ。俺は父の後を追うが、怖くてあまり近寄れなかった

倒れている男性を見た父は驚愕の表情で

「……A……嘘じゃろ……お前……」

そう呟くと、車を運転していた男と同じように膝から崩れ落ちた

(後で知ったことだが)車に跳ねられた男性は、20年前に失踪して行方不明になっていた父の従兄弟だった

父とAさんはかなり仲が良かったらしく、ずっと気になっていたらしい

「お前……こんな格好でわしのとこに戻ってくるんか……」

そう呟いた父の目には涙が浮かんでいた。その時俺は生まれて初めて父の涙をみた

しばらくして救急車や警察が来た。俺は全く覚えてないが、色々と大変だったそうだ

それ以来家族旅行には行っていない

後日父は

「わしの前で死なんでもよかろうがなぁ」

そう言っていた

俺は偶然とは恐ろしいものだと思った

うまく話がまとめられなかったかも……

仕事が忙しいので、しばらく投稿出来なくなりそうです;

もう戻って来なくていいとか言わないでね

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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