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中編3
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その日、あまりにも暇だった俺は友人のAと深夜のドライブをしていた

当然男二人でドライブしても全然楽しくない

A「ナンパでもしにいくか!?」

決まってAはこう言い出すが、二人ともそんな度胸は持ち合わせていない

結局『知らない道に行ってみよう』ということで折り合いがついた

グネグネと山道をのぼる。道が下りになった所で少し前に二台車が見えた

そのまま道を下っていると、ふいに前の車がなにかをかわし右にぶれた

道にはなにもない。俺はそのまま直進する

A「おい!かわせよ!」

突然Aが助手席で叫ぶ

俺「???」

意味もわからず俺は少しハンドルを右にきった

A「あ……」

Aは後ろを振り返ると、溜め息をついて頭を抱えた。俺は相変わらずわけがわからない

A「……女を轢いた」

俺「え?いやいやそんなわけないし」

A「はぁ……あれは普通の人で視えるレベルじゃったど。あっそうかお前は……」

Aはそこで言葉をきり、少し考え込む。幾ら俺でも、もう察しがついていた

俺「つまり幽霊轢いちゃったと……」

A「正解。もち憑いて来とるよ」

俺「ど、どうしよ……」

A「任せぇ。俺に考えがある。取り敢えず運転席の窓開けろ」

若干パニックな俺は言われるままに窓を全開にする

俺「でっどうすりゃええん!?」

A「慌てんな。ちょいスピード落とせ……よしそんなもんじゃ」

俺「……これなんか意味あるん?」

少し冷静になって考えると、スピードはともかく窓を開けるのは明らかにおかしい

Aに疑惑の眼差しを向けた次の瞬間、突然俺は首を掴まれた

俺「!!!」

俺が咄嗟に視線を右に移すと、血塗れの女が窓から腕を伸ばして俺の首を掴んでいる

すみません。短いですが一回きります。携帯投稿の辛いところ;

A「大丈夫じゃ!ブレーキ踏むなそのまま進め!」

横目で見ると、助手席からAがハンドルを掴んでいる

俺(お前は大丈夫じゃけど首を掴まれとる俺は全く大丈夫じゃないわ!苦しいんじゃボケェ!)

俺の声にならない突っ込みも虚しく、女は少しづつ手に力を込めてくる

女の表情が気持ちの悪い笑顔に変わる

限界を感じ始めた時、女は突然弾けるように消えていった。咳き込む俺

A「よっしゃ成功じゃ!」

状況が全く掴めない

とにかく助かったようだ。俺は息を整えると、当然疑問をAにぶつける

俺「お前なにしたん!?」

A「ん?俺はなんもしてないで。てかなんにも出来んし」

俺「え?じゃあなんで?」

A「お前の守護霊が助けてくれただけ。いや~えかったえかった」

俺「……どういうこと?」

A「じゃけぇな、お前がヤバくなれば守護霊が助けてくれると考えた俺のナイス判断で助かったわけ」

俺「……つまりわざと俺をヤバい状況に追い込んだと?」

A「そうそうそういうこと」

俺「……」

俺は窓を閉め、ハンドルを持ち直すと、無言でAに左ストレートをお見舞いした

当然そのあと大喧嘩になった

俺は普段全く霊が視えない正味0能力だ

俺は普段全く霊が視えません

だが、ヤバい状況になると視える。なぜなら俺の守護霊が『視える』『視えない』をコントロールしているかららしい

俺の守護霊はかなり強力で、だから俺は無事でいられるとのことだ

守護霊の話はまた別の機会に

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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