短編1
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朝起きてすぐ

布団を上げバッと起きたら人みたいなのが俺に跨っていた。

目は見開き白目が多い、歯は隙歯で髪はザンギリだ。

性別不問のソイツは一見気味の悪い人形だ。

目が合って血の気が引いて気絶した。

起きたら当たり前にベッドだった

布団を上げバッと起きたらまだ跨っていた。

「パパ…」

誰だこいつ

俺には子供どころか結婚してないぞ。

むかついたので殴って逃げた。

「ごめんパパ…」

まだ言いやがるか

とりあえず逃げた。

prrrrr…

元カノからの電話だ。

聞けば俺と同じ様な体験をしたらしい。

「もしかしたら葉君かなぁ…」

元カノの言葉でピンときた。

昔元カノと高校時代に子供ができたこと。

歓喜に喜び高校を退学して働き始めたこと。

しかし赤ちゃんは人の形にすらなってなく舌が噛み切れる思いで流産させたこと。

元カノとはそれ以来すれ違いで別れてしまったこと。

一つの葉がやがては立派に熟し木を彩り枯れてもなお趣を感じさせる人生を送る様に葉と名を決めていたこと。

そっか…

ちゃんと人として親に会いに来てくれたのか…

そういえば婆さんが言ってたな。

「水子となった子は親の一生の内に一回親に会いに来る」

あれ本当だったんだ。

「ごめんパパ…」

思い出すと涙が出てきた…

帰った家は静かで布団がまだ生暖かった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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