私の友人が体験したと言っていた話です。
その真偽は定かではありませんが、とりあえず彼は真剣な口調で語っていました。
文才も何も無いので、分かりづらい点、見苦しい点はご容赦下さい。
特に怖い話ではないので、期待はしないで頂きたいです。
彼はよくいるオカルト好きの大学生。
心霊スポットからホラー映画、お化け屋敷まで、「怖い」と形容される類のものはなんでも好きな20歳の大学生です。
つい先日、深夜のこと。
彼が自身の趣味の一つである、動画投稿サイトの「恐怖動画巡り」を楽しんで?いたときのことでした。
You○ubeや○コ動ではなく、海外の比較的マイナーなサイトにまで手を伸ばし、傍から見れば下らないことに時間を費やしていたそうです。
かれこれ5時間ほど動画漁りを続け、さすがに目が疲れたのと同時に、夜中の3時20分という時計の表示が彼の眠気を誘いました。
「あんまりだったなー」と思いながら適当に画面をスクロールさせていると、タイトル・投稿者・投稿時間等の情報が一切表示されていない動画が目に入りました。
明らかに異質なその動画。
「お…なんだこれ」とすかさずそこをクリックし、収穫の乏しかったその日の締めくくりにしようと、動画が再生されるまでの時間を期待半分眠気半分で待っていました。
古そうな街並み。
国は…どこだここ?
とりあえず、外国っぽい。ヨーロッパ?
映像はハンディカメラで撮ったように酷くゆれながら、道には石畳が敷き詰められ、両側にはレンガ造りのどっしりとした構えの建物を配した、それこそ映画のセットのような街並みを進んでいく。
音は…無い。
細い路地に入り、大きな通りにでて、また細い路地に入る。
なんだこれ?
古い映画かなんか?
上下に揺れ、時々乱れるように一瞬暗転する映像に、彼はそう思った。
しばらく細い路地と大きな通りの繰り返しを進んだ後、映像は一軒の建物の前で止まる。
ドアが開く。
建物はどうやら住居らしく、画面向かって左手に階段、奥へと続く廊下はリビングへと繋がっているようだ。小さな家だが、かわいらしく手入れが行き届いているような印象を受ける。
すると、ひとりの女の子がリビングらしき方からうれしそうに走ってくる。
栗毛の髪をポニーテールに結び、淡い茶色の瞳を輝かせながら、少しそばかすのある頬をほころばせ一生懸命に何か話している。
やっぱ白人の女の子はかわいいな。
その女の子がくるりと背を向け、リビングの方へと進む背中を追いかけるように、映像も進んでいく。
リビングの真ん中にあるテーブルの上に撮影者が茶色の紙袋を置き、その反対側に周りこみ、ちょこんとテーブルの縁から顔を出す女の子と、会話をしているらしい。
紙袋の中身はどうやら食材のよう。色とりどりの野菜や果物が詰まっている。
…と、何かに気付いたように女の子が映像から目線を外し、撮影者背後を見ている。
そのままタタッと駆け出した。
映像は、撮影者が紙袋の中から果物や野菜を取り出すシーンを映している。
次の瞬間、今まで無かった速さで映像がバッと回転し、玄関へと続く廊下を跳ぶように進んでいく。
開け放たれた玄関には、逆光のせいではっきりとは分からないが、体格の良い男性であろう人物が立っている。
影に覆われたそのシルエットの中、爛々と光る両目だけが、酷く不釣合いに見える。
どうやら…「何か」を右手に持っている。
その男の足元には、先ほどまで元気に笑顔を見せていた女の子が突っ伏して倒れていた。
女の子に寄る映像。
抱きかかえるように仰向けする撮影者。
かわいらしかった女の子と顔は、硬い鈍器で殴られたように大きく崩れ、茶色の瞳を持った左の眼球は眼孔から飛び出し、そばかす頬は深く陥没し
ていた。もはやその面影は、無い。
固唾を呑む。
「ギィヤアァァァアァアァァァゥアアア」
これまで無音だった映像から、明らかにPCのキャパシティを超える音量の叫び声が部屋中に響き渡る。
次の瞬間、映像はガクンと揺れ、床に対して垂直に、ゴロンと転がる。
暗転。
以上です。
長文の上、駄文で申し訳ありませんでした。
ありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話