小学校の時の話です。
霊的な怖い話ではありません。
私の通っていた小学校の校庭にはとても大きなポプラの木がありまして・・・
まあそれはどうでもいいのですが、
特別学級っていうのかな?知的障害児童のための教室があり『ポプラ学級』という名前でした。
時々ポプラ学級の生徒も同学年の児童に混ざって授業を受けるという取り組みがあり、
私のクラスにはヨシコちゃんというコが来ていました。
私はヨシコちゃんを授業の前に呼びに行く係をしてまして・・・
後は体育の時軽くサポートするとか、まあそんな係でした。
今思うとポプラ学級の生徒の知的障害レベルはどんなもんか分かるはずもありませんが、
ヨシコちゃんとコミュニケーションを図るのはかなり大変だったと記憶しています。
あまりたくさん話したりはしませんでしたが
ワガママな感じはありましたし、太っていて不潔っぽくて。
仕方の無い事なので別に我慢していましたが・・・
正直好きにはなれませんでした。
みんなかどうか分かりませんが、
大抵の生徒は私と同じ印象を持って接していたと思われます。
先生から、仲良くしましょう、助けてあげましょう的な事言われますし、
じゃあってかんじで。
で、話はこのヨシコちゃんの卒業アルバムの話なのです。
6年生の3学期くらい?撮影した卒業アルバムが
手元に届きました。
クラス写真にはもちろんヨシコちゃんもいます。
みんなで寄せ書きとかして楽しんでいました。
そんな折またポプラ学級へヨシコちゃんを迎えにいった時です。
ヨシコちゃんが見当たらず、外で遊んでるかなと思いながら見回していると
卒業アルバムが目に留まりました。
すでにかるく汚れたそれを何となく開いてみると、いっぱい落書きが・・・。
あぁあ。と思いながらページをめくり、自分のクラスの集合写真までたどりついた時。
集合写真の一人一人の顔に
○やら×やら付けてあるのが見えました。
いや、×っていうか、
ぐちゃぐちゃに塗りつぶしたって言うほうが正解かな。
○には種類があって、二重マルとかハナマルもありました。
この時点でなんかゾッとしてしまった私。
私の顔も塗りつぶされていましたし。
でも、よーく見ていくと女子は全員×のようでした。(男女ランダムに並んでいます)
○の類は全員男の子なんです。
ダントツで大きなハナマルがついていたのは
アツシ君というコでした。
背は高めでスポーツのできるキレイな顔立ちの男の子。
そおかあ~ヨシコちゃんアツシ君がいいのかぁ・・・
あと、アツシ君ほどでもないけど、
○君と○君は結構お気に入りで、
○君と○君はなかなかで、○君は・・・
てな感じでその情報を冷静に読み取った後、
外から帰ってきたヨシコちゃんを発見。
何事も無かったように教室へと連れて行きました。
いつものように気を使っていろいろ話しかける事はもうしませんでしたが・・・
そのかわり、
このあまりにも幼い知能の持ち主
と思っていたこのコの中では
『女』が芽生えてきているんだなぁ
などと小学生なりに思いつつ横顔をじーっと観察しながら教室へ到着。
授業が始まってもその事ばかり考えていました。
私は周りのコに比べ女としての芽生えは遅く、
男子と遊んでいて女子に嫉妬されるという状況に出会うと
何故??などと思ってしまうようなコドモでした。
あの醜悪な卒業アルバムのページは
いまだに忘れられません。
さっきホラテラで卒業アルバムの話を読んで急に思い出しちゃいました。
願わくはあの『塗りつぶす』が『単に興味が無い』の意味でありますように・・・。
怖い話投稿:ホラーテラー エヌさん
作者怖話