短編2
  • 表示切替
  • 使い方

とある熱帯魚

これは何年か前に体験した話。

友人(A)と一緒に買い物に行く約束をしていたので

Aのアパートへ迎えに行った。

すると、Aは熱帯魚の水槽の掃除をしていた。

A『ごめん、もう少しで終わるから、ちょっと待って!』と言ったので

私はタバコを吸いながら、テレビを見ていた。

すると、Aが

『痛ってぇぇ!!』

と言いながら、のたうち回った。

私『どうしたんだよ!!』

A『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』

『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』

『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』

理性を失い、叫けび回っている。

目は焦点が合ってなく、体が痙攣している。

私は、救急車を呼ぼうと思ったが、原因がわからない。

よく見ると、指先から出血している。

私は血が出ている指の下にハンカチを思いっきりしばった。

そしてすぐに救急車を呼んだ。

きっと毒を持った魚に刺されたと思い。

電話で伝えた。

すぐさま救急隊が駆け付けた。

救急隊は、水槽を必死になって見ていた。

私も救急車に乗り、病院へ向かった。

Aは、

『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』

『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』

『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』

といいながら、暴れ回っている。

押さえつけるのが、大変だった。

大きな病院に着いた。

救急隊は、『恐らくエイに刺されたのだと思います!』と医者に伝えた。

すぐさま、治療室に入れられた。

私は、心配しながら廊下の椅子に座って待っていた。

すると、医者が出てきて私に内容を説明した。

医者『恐らく、エイの毒針に刺されたのだと思います。私もこのような患者さんを診るのは初めてです。 しばらくは激しい痛みと闘うことになるでしょう。』

『毎日、点滴が必要です。 長くて三ヶ月の入院が必要です。ご家族の連絡先を教えてください。』

Aの指を刺したのは、『淡水エイ』と言う魚だった。

大変、人気のある熱帯魚だが、

シリビレの付け根に、毒針が着いている。

危険を感じると、かなりのスピードで相手を刺すとのこと。

毒の力は半端じゃなく、最悪の場合、死に至ることも珍しくない。

原産地のアマゾン川では、ピラニアよりも恐れており、危険な生物ワースト1だそうだ。

Aは毎日、点滴をしながら二ヶ月半くらい入院していた。

体重は、30kgも落ちてガリガリで退院した。

Aに刺されたときの感想を聞くと、

『指を切断され、電流を流され、ヤスリで擦られる感じ。』

とわかりにくい解説をした。

本気で死を覚悟したとのこと…

これから、熱帯魚を飼おうとしている方、

この魚には、十分気をつけて下さい。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ