短編2
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テレビ番組と家

怖い話を聞くと、怖いものが出る。

雰囲気が悪かったり、聞いている人が異常に怖がっていると、そういうこともあるかも知れない。

しかしその怖いものが、この世のものではないのか、単なる偶然から「怖いもの」になってしまったのかは…私にはわからない。

前置きはここまでにして

夏に放送する、某怖い番組をご存知だろうか。

私はその番組が大好きで、家族全員を巻き込んでよく見ていたものだ。

家族全員を巻き込んで、というのは私以外、母と姉は心霊が苦手というのにかかわらず無理やり見せてしまったということ。

今では酷なことをしているなと思う。

でも私には霊が見えないし、霊を信じていないから心霊が好きなんじゃないか!とその時は考えていた。

ある夏の日、私達は先ほど紹介した某怖い番組を見ていた。

5、6個怖い話が流れるのだが、その中で怖そうな話があった。

内容は、旅館のような場所に泊まったときのもので

その旅館には、所謂「開かずの間」という部屋があるという話だ。

まあ怖い話というだけあって、主人公はその開かずの間を開けてしまう。

当然、霊に追い掛けられる。

よくある怖い話だった。

しかしその時の私達は尋常ではないくらい怖がっていて、雰囲気も最悪だったのだ。

怖い話が中盤に差し掛かったころ、

主人公は障子に寄りかかっていた。障子の向こうには霊。

しかし中々こちらには行けないようで、主人公も少し安心していた。

主人公はほっとため息をつき、移動をしようとした

瞬間

障子から手が突き出てきたのだ。

と同時に

私達の家の扉が、バンッ!バンッ!バンッ!と凄い勢いで開いていった。

180度回ったように。

私達は恐怖が最高潮に達し、泣きながら叫んだ。

「誰もいないはずなのに…!!」

「今日は風弱かったんだよ!?」

混乱していてとてもじゃないが会話が成り立たなかった。

その間にもテレビではすごい音と叫び声で盛り上がっている。

私達は放心状態になりながら、テレビの電源を落としたのだった…。

今では、あれは単なる偶然と言われ笑い話になっているが

私は確かに聴いたのだ。

廊下を走る、足音を。

怖い話投稿:ホラーテラー ジョジョに奇妙な妹さん  

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