俺は22歳のフリーターだ。
小さい頃に父親を事故でなくしており、母さんと二人暮らし。母さんとはすごく仲良しである。
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最近まで俺はろくに働きもせず、母さんが何個もパートをかけもちし、身体を壊してしまった。しかも母さんはドジなのか身体中にあちこちアザができている。
そのおかげというのも言い方が悪いが、俺も反省し心を入れかえる事ができ、頑張って働いている。
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「母さん、もう迷惑はかけないしこれからは俺が養っていくから」
と言うと母親は泣いて喜んでくれた。
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バイトが終わりいつものようにA、B、C子と俺の部屋で酒を飲んでいると
俺「○△神社にこれからみんなで肝試しにいこう!」
B「よっしゃ!○△神社に肝試しだ!」
A「いいねー!みんな行くぞー」
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酔ってたこともあり、みんなで原付きに乗って(飲酒運転だがw)○△神社に行くことになった。
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○△神社とは地元では有名な心霊スポットで、本堂の脇にある小屋に深夜訪れると霊が出るという噂だ。
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時間は夜中の一時、原付き三台で飛ばして神社がある山のふもとに到着した。神社は少し山の中にあるのでほぼ真っ暗である。懐中電灯とわずかな月明かりで神社へ向かう。
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B「C子ビビってるんじゃない?笑」
C子「全然怖くないもんねー」
A「怖かったら俺の手繋いできてもいいぞ!」
C子「Aこそ怖くなったらBか俺君とバグしとき笑。」
くだらない話で盛り上がっていたためか恐怖感は全くなかった。
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そして神社へ到着した。
例の小屋はボロボロであり、辺りは静寂に包まれていた。
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A「よし入るか」
そういってAが小屋の扉をあけた。
真っ暗でなにも見えない。懐中電灯を照らし中へ入った。
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A「なにも出ないな」
俺「拍子抜けだな。写真でも取ってなにか写るのを期待しようか。」
各々スマホやデジカメで小屋の中の写真を撮った。
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B「このまま帰るのもあれだし、神社全体を探索して心霊写真撮ろうぜー」
俺「心霊写真撮れたやつ一万円賭けようか!」
C子「心霊写真撮れた人が勝ちね♪」
B「っしゃあ燃えてきたー!」
てなかんじで各自バラバラに行動して、20分後に神社の境内に集合ということになった。
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本堂の中、小屋の周り、賽銭箱など写真を撮りまくった。
そんなこんなで約束の時間に俺は境内に戻った。
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が、Bの姿がない。
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俺「あれ?Bは?」
A「あいつお金欲しさに時間延長して写真撮ってんだろ笑」
しかしそれから10分経ってもBが帰ってこない。
俺「まさか霊に…」
A「バカいえ!おらみんなで探すぞ!」
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そういって手分けして神社の中を探したがBは見つからなかった。
三人で話し合った結果先に山のふもとに戻ったんだろうということになった。
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C子「もしふもとにいなかったらやばくない?」
A「絶対いるって!大丈夫!」
まるでそう自分に言い聞かせているみたいだった。みんな徐々に焦燥感と恐怖感が出てくる。
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もう少しで山のふもとというぐらいまで来たとき、
俺「お、おい、あれはなんだ!?」
15メートル先の木の影に布のような黒い影がゆらゆら揺れていた。
もう少し近づいてよく見てみる。
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するとその瞬間その木から何かが飛び出してきた。
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B「お前らを呪い殺してやるー!!!」
C子「きゃっ」俺「うわっ」
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B「はっはっは、ビビってやがるー笑」
A「お前脅かすなよ!」
B「いやいや霊が出てこなかったから脅かしてやろうと思って。」
俺「ちょっとチビったじゃないか!」
C子「もう俺君きたなーい笑」
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Bのおかげで無駄にビビったが何より無事でよかった。
そして俺達は山のふもとにつき原付きに乗って帰った。
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原付きで帰っている途中、コンタクトレンズがずれてきた。目が痛いし原付きを止めてちょっと目薬した。
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A、B達は先に行ってしまっているので、追い付こうと少し飛ばした。交差点に差し掛かったとき、
交差点からものすごいスピードを出したトラックが突っ込んできた。
とっさにかわそうとしたが、
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間に合わず、俺の原付きにぶつかった。
その後の記憶はない。
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目が覚めると俺は病院のベッドにいた。
頭が痛い。どうやら頭を打ったようだ。
ナースを呼び状況を聞くと、どうやら俺は一ヶ月近く寝たきりだったらしい。
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トラックの運転手は飲酒運転で信号無視をしたとのこと。トラックは原付きとぶつかった後電柱に激突しその運転手は即死。俺は頭を打ったため、記憶障害が起こる可能性があると言われた。
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俺はあまり実感がわかずとりあえず生きててよかったとポジティブに考えた。
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しばらくしてA、B、C子がお見舞いに来てくれた。
B「大丈夫か!?」
A「お前は無事で本当によかった。」
C子「ほんと心配したよー!」
みんな泣いて喜んでくれた。
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しかし少しA、Bの表情は曇っていた。
俺「おい浮かない顔してどうした?」
A「ナースからその…聞いたか?」
(記憶障害のことかな?)
俺「ああ、あまり実感わかないがもう平気だよ。」
A「そうか、それならよかった。」
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C子「退院したらみんなでまた遊ぼう!」
俺「いいねー!」
B「え?」
俺「いや俺が退院したらみんなでパーッと遊ぼう!」
B「あ、ああ!前と同じように…とはいかないがぱーっと遊ぼう」
俺「B気にしすぎだって。人生ポジティブにいかないとな笑」
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A「気にするにきまってんだろが!!!」
Aが急に怒り出した。
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B「まぁA落ち着け!俺らも辛いが、一番辛いのは俺君だろ?」
A「そうだな…すまん」
俺「とりあえず俺は本当に大丈夫だから気にするな!そろそろ面会時間が終わるらしいし、またお見舞いきてくれ」
A「おう、じゃあまたな」
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そうして三人は帰っていった。俺の記憶障害ってそんなにひどいのか?あのAの怒りようから察して俺は心配になってきた。
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次の日医者に詳しい病状を聞いた。医者が言うには過去の一部やこれからの記憶がほんの一部欠落するかもしれないということだけで、日常生活に支障はないということだった。
A達が心配しすぎってことが分かって俺は少しほっとした。
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退院まで2週間に迫ったとき、B一人がお見舞いにきた。
他愛もない話や、この一ヶ月の間に起こったニュースなど話していると、
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B「肝試しのとき俺が調子にのって隠れて驚かせずに、すぐ帰ってたらこんなことにはならなかったよな。マジでごめん。」
俺「俺はピンピンしてるしほんと大丈夫だって。じゃあ今度飯でも奢れよー笑」
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B「ああ、任せろ!話変わるが最近誰かにつけられてる気がする」
俺「Bイケメンだから女の子のファンとかだろ。」
B「いやそうだといいが、夜中に軽くコンビニ行くときも必ず視線を感じるんだよ…」
俺「まぁ大丈夫だろ気のせいだって笑」
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Bは不安そうであったが俺がなんとか励まし少し元気になったような気がした。
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そして2週間が経ち俺が退院したその日、そのまま退院祝いということでA、B、C子と俺の四人で居酒屋に飲みにいった。
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B「よし今日は楽しもう。」
A「そだなB!俺君も退院できたことだし久しぶりに今日は飲もうぜ!とりあえずみんなビールでいいよな!」
俺「店員さーん!ビールで!」
俺は酒に弱いが今日は飲みまくろう。
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店員「お待たせしました。」
ビールが3つ運ばれてきた。
俺「1つ足りないじゃん笑、店員さんビールあと1つ。」
A「俺君今日は飲みまくろうな!乾杯しようか!」
俺「ビール4つ揃うまで乾杯は待とうぜ笑」
C子「もーAは空気読めないんだからー!」
A「え?あっそういうことか!ごめん。」
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そしてみんなビールが揃ったところで
一同「乾杯ー!!」
とグラスをガチャンと合わせる。
俺が入院する前と変わらないいつものメンバー。そしていつもの楽しくてくだらない会話を交わす。
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C子「それはそうとBもそろそろ彼女できたー?」
B「」
俺「??おいB!何無視してるんだよ笑」
B「あっごめん!聞いてなかった。」
俺「そろそろ彼女できたかー?って。」
B「いやーまだできてないね。俺は理想高いし。」
A「せっかくイケメンなんだから彼女作れよー笑。それはそうと俺君はアイツの事忘れられそうか?」
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俺「アイツ?誰のことだよ笑。俺はけっこう前から好きな人がいるってAとBは知ってるだろ。」
C子「誰ー??笑」
A「アイツの次は知らねぇよ。入院先のナースか?笑」
俺「けっこうおばちゃんじゃん笑」
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俺の好きな人それはC子だ。C子を目の前にしてこんな事言えるわけない。以前AとBに相談したとき俺がC子になかなかアタックできないので、二人に早く告白しろ!って突っ込まれたな。しかしこんな居酒屋で告白するわけもないし、Aも空気の読めないやつめ。
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そんなこんなで飲み会が終わった。
もう夜の11時すぎでありAが明日早いとのことで俺達は解散した。
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1人で帰っているとき、ふと疑問が頭に浮かんだ。母さんはなんで1度も見舞いに来なかったんだ?俺と母さんはだいぶ仲良いのにな。
俺が入院してバイトできないからパートで忙しいのか、また働かせてしまっていたら申し訳ないなと思っているうちに久しぶりに家についた。
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俺「ただいまー」俺が元気よく母さんのいる一階(俺の部屋は二階。)の部屋に入ると母さんはテレビを見ていた。
しかし俺の姿に気づくと母さんはひどく驚いて後退りした。というより少し怯えている?
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俺「久しぶりだからってそんなに驚くことないだろ笑」
母さん「もう大丈夫なの?」
俺「もう大丈夫!俺のせいでまたパートしてる?」
母さん「も、もちろんしてるわよ。」
俺「ごめん!明日から働くしもう辞めていいからな!おやすみ。」
そういうと母さんはきょとんとしていた。
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そういって俺は自室に戻ってベッドに横になった。しかし俺はよく生きてたな、っていう実感が沸いてくる。うとうとしその日は眠りについた。
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その夜中嫌な夢を見て目覚めてしまった。また眠ろうと目を瞑っていると違和感を感じた。
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視線を感じる。
どこからだ?
部屋のドアが少し空いている…
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薄目で見てみるとドアの隙間に、
目があった。
誰かが覗いている!?
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その目はやけにニヤニヤしたような目をしていた。鼓動が速くなる。なんなんだいったい!?
もう一度、今度ははっきり目を開けて見てみる。
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目は消えていた。
少し安堵したが、焦りながらも必死で考える。見間違い?まさか幽霊?
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そんなこんな考えているうちに朝になった。
いったいなんだったんだ?朝になると恐怖感は消え、あれは夢だったということにした。それにしても嫌な夢だった。
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携帯を見てみるとBからメールが来ていた。
「さっきからずっと誰かに見られている。怖い。」
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俺はすぐにBに電話してみる。三回コールが鳴った後、
B「もしもし」
俺「もしもし!大丈夫か?」
B「ああなんとか。目は朝になると消えていたんだ。俺の家は五階なのに窓に目があった。」
俺「まじかよ…実は俺も昨日ドアの隙間から覗かれていた。」
B「お前もか!まさかあの肝試しのせいなのか!?」
俺「ちょっとA達にも確認してみる、」
B「A達?あ、ああ頼むわ!」
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俺はAとC子にメールを送ってみた。C子からの返信はすぐあり、
「大丈夫、何もなかったよ。」
そしてしばらくしてAからも何もなかったという返信が返ってきた。
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俺とBだけなぜ?思い当たるふしを探したが何も分からなかった。
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とりあえずまた今日からバイトが始まる。母さんを楽させなければならない。そういえば母の日がもうすぐだっけ。
俺「よしバイトに向かいますか。」
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原付きはあの日大破したか、新しい原付きをトラックの運転手の親族から弁償してもらっていた。
原付きを走らせる。
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やがて山のふもとを通るとき、山への入り口に髪がボサボサで白いワンピースを着た女が背中向きで立っていた。
人はめったに通らない場所であり少し疑問に思いながらもあまり気にせずバイトへ向かった。
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俺「お疲れさまでーす。」
夜になりバイトが終わった。母の日は何をあげようかな?と考えながら帰路につく。
するとまた山のふもとに差し掛かった時、、
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まだいた。
白いワンピースの女がまたもやこちらに背を向けて立っていた。
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少し俺は君が悪くなりながらもそこを通り抜け、もうすぐ曲がり角というところで、俺はコンタクトレンズが乾いてきたので原付きを一旦止める。
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目薬をした後、少し前方に見えにくいが黒い点々としたものがある。
なんだろうか?近づいて見てみると、
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!!?
大量のまきびしみたいなトゲトゲした金属がばらまかれていた。
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危なかった。あのまま目薬をせずに通っていたら曲がり角でクラッシュしていたかもしれない。
さすがにこれは悪質ないたずらなので警察に通報し、いつもとは違う道で家へと帰った。
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家のガレージに到着した。
家の玄関のポストを見てみると手紙が入っていた。
差出人は不明。
その場で手紙を開けてみる。
そこには赤い文字で、
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「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…」
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俺「うわっ!!」
なんだこれは!?気持ち悪い…。
最後の方をよく見てみると、
「………………死ね死ね死ね死ね、オモイダシタ?」
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と書いてあった?思い出した?とは何の事だろうか。手紙が気持ち悪すぎて、すぐさまぐちゃぐちゃにして投げ捨てた。
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家に入るとと母さんは薄暗い部屋でうなだれていた。
俺「母さんただいま!」
母さん「…」
俺「??母さんどうした?」
母さん「わっ!、何でもないのよ…。」
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母さんは何かに怯えているようだった。さっきの手紙のこともあり俺は母さんが誰かに嫌がらせされているのか?と思い強い口調で言った。
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俺「何があったのかはっきり教えろ!」
母さん「ごごごめんなさい、ごめんなさいいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…。」
母さんはぶるぶると震えている。
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俺「い、いや怒ってないから何があったのか教えてほしい。」
母さん「…えと実は、二時間前ぐらいにチャイムが鳴ってね。ドアスコープから覗いてみると、
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白いワンピースを着た女が立っていたの。
とりあえずドアを開けるとその女はいなかった。
またしばらくしてチャイムが鳴って同じようにドアスコープを覗くとさっきの女が…!!」
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俺「そ、それでどうなった?」
母さん「その後怖くなって部屋で怯えてると何度も何度もチャイムがなって俺君が家についた時にやっと止まった…」
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白いワンピースを着た女とは俺が山のふもとで見た女の事だろう…。
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俺も少し恐怖感が出てきた。退院後からなぜか嫌なことが続く。霊的なナニカなのか?俺が狙われている?
とりあえずAにでも相談してみようと、メールを送った。するとすぐ返信があり、
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「心配なら俺にすぐ電話しろ!
実はBも同じ白いワンピースの女の事につけられていると相談された。お前ら気をつけろよ!」
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え!?Bもなのか!昨日の夜の事といい俺とBが狙われているのは確定的に感じてきた。しかし思い当たるふしが…
まさか本当にあの肝試しのせいなのか?
ぐるぐると思い巡らしているうちに眠くなり寝てしまった。
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目が覚めた。嫌な夢でも見たのだろうか汗でびっしょりだった。
夜中の3時だ。少し暑くなったので窓をあける。
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すると家の縁側に誰かがいるのが見えた。なにやらこそこそなにかしている。
俺「誰だ!!!
俺が叫ぶとそいつは急に家の中に入ってきた。
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母さん「ぎゃー!!!」
悲鳴が聞こえる。俺は急いで一階に戻ると、母さんはしりもちをついていた。
俺「母さん!誰か入ってこなかった!?」
母さん「変な白いワンピースの女が家に入ってきて…。
母さんがいることに気づくと家の裏戸の方に逃げたわ!」
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俺は恐る恐る、家の裏戸のほうに近づく。心臓が痛いくらいに高鳴ってきた。よしいくか。
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ばっと裏戸を見た!
しかし誰もいない。家の裏戸も鍵が閉まっていた。
家の中にまだいるのか?
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しかし母さんの部屋から裏戸までは隠れる場所もなく、その後家中を探しても女は見当たらなかった。
それにしてもあの女はこそこそ何をしていたのか?家の縁側を見てみると、
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古新聞に大量の灯油が注がれていた。
放火する気だったのか!あの時に目覚めなければ家は燃やされていたであろう。あの女の正体、原因を突き止めないと命が危ない。
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母さんは精神的に弱いので俺は心配になり声をかける。
俺「母さん、大丈夫?」
母さん「も、もう大丈夫よ。」
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母さんは案外平気そうで安心した。いつもなら気を失ってしまっていたと思うが少し精神的に強くなったのかな?
明日母の日のプレゼントを買って気を紛らわしてあげよう。
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A達をあんまり巻き込むのもあれなので今回の事は言わないでおこう。
とりあえず再び警察に通報し周囲を警戒してもらった。
これで安心とはいかないが疲れていたのでまた眠りにつく。
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次の日、昼前ぐらいに起きた。今日はバイトはないが母の日のプレゼントを買いに行こう。
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そう思って原付きに乗ってデパートまで向かう。何がいいかな?
デパートにつくと母の日セールがやっていた。
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が、なにを買えばいいのか分からない。C子にメールで聞いてみると腕時計がいいんじゃない?と言われた。正直そんなにお金に余裕があるわけではないので、安めのシンプルな腕時計を買った。
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そういえば母さんは腕時計を壊していたしちょうどいいな。と思い家に帰る。
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帰る途中、また山のふもとを通らないといけない。行きはなにもなかったがさすがに少し気味が悪い…。
しかし幸い今日は誰もいなかった。胸を撫で下ろし、家につく。
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早くプレゼントを渡したい、そう思い母さんの部屋に勢いよく入る。
母さん「あ、…ぁあ…」
ドアの音に驚いたのか、母さんは驚いてびくびく震えだした。
俺「ちょっと驚きすぎだって!笑、あとはいこれ!母の日だからプレゼントな!」
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そう言って綺麗にラッピングされた腕時計を渡す。
母さんはちょっと驚きながらも少しずつ包装をはがし、腕時計をみると少し笑顔になった。
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母さん「……ありがと。」
ぼそっと呟いたぐらいだったが、喜んでいるようだった。
俺はそれが嬉しくて足取り軽く自室へと戻る。
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今日の夜はA、B、C子達と遊ぼうかな。そう思っていると窓が急に暗くなった。
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二階にある自室の窓の方を見ると、
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白いワンピースの女がこっちを見ていた。
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俺に対する憎悪がこもった目をしていた。肌はまるで死人のように白い。
でもあれ?こいつはまさか…
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チャララー♪
携帯の着信音で目が覚めた。どうやら気を失っていたらしい。
窓にはもうあの女の姿はなく、障害のせいか全く顔を思い出せない。
携帯を手に取る。
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Bからだ。
俺「もしもし、どうした?」
B「…て…」
俺「電波悪いな。もしもし?」
B「……白い……おんな……け…」
俺「白い?おんな?」
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sound:18
B「うわわああぁぁぁぁぁああぁあぁーーー!!!!!!!!」
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突然Bが叫んだ。
俺「おい!B!どうした!?もしもし!?」
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「…」
返事がない。
俺「もしもし!もしもし!?」
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「………オモイダシタ?……」
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music:4
ガチャ。電話が切れた。最後にBの声ではない無機質な女のような声が聞こえた。Bが前言っていたストーカーか!?俺は再びBの電話にかけ直す。
しかし何度かけ直してもBが電話に出ることはなかった。
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俺はパニックになりながらもAとC子にBが襲われた事を電話し、AとC子が俺の家に急いで来た。
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A「おい!俺から電話してもBに繋がらない!警察には電話したか!?」
俺「わ、忘れてた!すぐ電話する!」
A「俺はBの家の方向を探しにいく!」
C子「私も探しに!」
俺「待って3人で探そう!俺が電話し終わったら一緒に行こう」
A「え??、分かった早く電話しろ!」
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警察に事の事情を話し(最後の無機質な女の声は伏せておいたが)、三人でBの家の近くを探しに行った。
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いない。
居酒屋の近くを探したがこっちにもいない。
警察も一晩中町を探したが見つからずBは行方不明となった。
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C子「Bどこに行っちゃったんだろ」
C子は泣き出し俺は背中をさすることしかできなかった。
A「俺君1人でなにしてんだよ、もっとBが行きそうなとこ考えろよ!Bは他に何か言ってなかったか?」
俺「白い女?としか言ってなかった!電波が悪くて聞き取りにくかったんだよ!」
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A「電波が悪い!?早くそれを言えよ!電波悪いってことは地下とかにいるってヒントだろ!」
さすがAだ。こういうときは頭も働くし何より頼もしい。
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俺「地下がある建物…地下鉄?」
A「ばか、いま夜中だから地下鉄はないだろ。電波悪い…まさか○△神社?」
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俺「お、おいやめろよ、なんであんなとこいくんだよ!」
A「他にないだろ!探しにいくぞ!」
そして原付きにまたがり神社に向かおうとしたが、
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原付きが暴れだし俺は放り出された。幸い草むらがある所に投げ出されたので怪我はなかった。
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C子「大丈夫!?」
A「お、おい!大丈夫か!?」
俺「草むらのおかげでなんとか…原付きが急に…なんで?」
AとC子は原付きの近くまで見に行くと、顔が青ざめた。
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俺「A!どうしたんだ?」
A「…原付きのタイヤがナイフかなんかで切られてパンクさせられてる。」
俺も立ち上がり見に行くと確かにタイヤが切られていた。
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おかしい。さっきデパートの帰りのときは原付きは普通に乗れたしタイヤも普通だった。
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やはり白いワンピースの女に狙われているのはBだけじゃなくて俺もなのか?
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三人で話し合った結果俺の身を案じて俺達は一旦家に戻ることにした。
警察に○△神社にいるかもしれないことは話しておいた。
もう明け方の5時近くということもあり、三人はとりあえず解散し、俺は部屋に戻った。
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そのままベッドにうずくまる。
Bは大丈夫なのか…。Bの次は俺だ…。
こうなるとオチオチ寝てもいられない。俺は護身用に金属バッドを片手にずっと起きてやる。
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疲れていたせいかすごく眠かったが、恐怖感が勝ち起きていられた。
日も上り11時近くなったころ電話がなった。警察からだ。
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俺「もしもし!」
警察「もしもし、Bさんが発見されました。」
俺「ほんとですか!?Bは今どこに?」
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警察「非常に申し上げにくいのですが、Bさんは遺体で発見されました。」
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え?
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俺「う、嘘ですよね…。」
警察「Bさんは○△神社の本堂の隣の小屋で無惨な姿に…。何者かに殺害されたとみて捜査しています。」
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Bが死んだ。殺されたんだあの白い女に。しかも○△神社で…
俺達があの日肝試ししたせいだ。霊の怨みをかってしまったんだ。
でもなぜ俺とBだけ…?
俺は友を失ったショックと次は自分が襲われるという恐怖で放心していた。
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AとC子にBが亡くなったことを連絡した。
電話するとAは泣き叫び怒り狂っていた。
C子はなぜか落ち着いていた。強かっているのだろう…。
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Aと電話したとき、
A「白いワンピースの女許せねぇ。俺が夜○△神社にいってぶちのめす!」
俺「やめろ、相手は得体の知れない霊かなにかかもしれない。次に狙われるのは俺だし、俺が1人で決着をつける。」
A「Bも失って悲しいのは俺だけじゃないぞ!今日の夜一緒に行くぞ!」
俺「待て!色々準備もあるし明日一緒にいこう!絶対だ!」
A「分かった。また連絡してくれ。」
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しかし俺は今日1人で○△神社に行くつもりだ。Aを巻き込めない。
効くか分からないが数珠とか用意しておこう。
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一階に降り母さんに声をかける。
俺「母さん、お札とか数珠とかない?」
母さん「あるけど何に使うの?」
俺「白いワンピースの女と決着をつける。」
母さん「え、大丈夫なの?いつ?」
俺「今日の夜1に。大丈夫だから。」
母さん「1人で?」
俺「ああ、もし俺に何かあったら警察に連絡してくれ。」
そう言って母さんから数珠とお札をもらう。左手に俺がプレゼントした腕時計をしてくれていて少し嬉しい。
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自室に戻り金属バッドを手に夜になるまで備える。
絶対殺してやる。俺は殺されないぞ。
心臓が脈打ち、Bの敵を絶対に取る覚悟ができた。
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日が落ち暗くなってきた。そろそろ行くか。重い腰をあげ玄関へと向かう。
母さんは買い物か何かで出掛けていた。
原付きはパンクさせられていたので、タクシーを拾い山のふもとまで行く。
そして山のふもとへとついた。日は完全に落ちており、まるであの日の夜のようであった。
恐怖感がものすごいがそれ以上の怒りが俺を動かせる。山へ入ろうとしたその時、
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??「おい!!」
誰かに肩をたたかれた。
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嫌な汗をかきながらも勢いよく振り返る。
そこにいたのはAだった。
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俺「な、なんでAここに!?」
A「お前は嘘下手なんだよ、お前が今日1人で行こうとしてたことぐらい分かるさ。幼なじみだろ?」
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どうやらAにバレていたらしい。
1人で決着をつけようと思っていたがAがいると何よりすごく頼もしく安堵した。
やはりAはいいやつで俺の親友だ。
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music:7
タッタッタッ
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二人で山の中へ進んでいく、その間二人は何も会話しなかった。
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タッタッタッタタッタッタッタッ
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俺「あれ?足音が少し多くないか?」
A「気のせいじゃないか?」
俺「だといいが…」
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昨日寝てないし少し疲れているのかな。そう思い込み○△神社近くまでくる。警察の捜査により立ち入り禁止になっていた。
しかし俺達には関係ない。それを乗り越えて神社の中へと入っていく。
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今日はやけに不気味だ。
小屋の中にはあいつがいるのか?
Aも緊張しているのが分かった。しかしここで逃げ出す訳にはいかない。
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俺「おい!白いワンピースの女!いるのか!!出てこい!」
当たり前だが返事はない。
恐る恐る小屋の入り口まできて扉に手をかける。
Aは家から持ってきたのであろうお札を巻いている鉄パイプを握りしめている。
そして…
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sound:26
ガラッ!!
勢いよく扉をあけた。
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中には…誰もいない。
Bが亡くなったであろう形がチョークでかかれているのが分かった。
あの白いワンピースの女はいない。
A「あいつ今日はいないのか?」
俺「神社全体を調べみよう。」
そうして一時間ほど二人で神社全体をくまなく調べてみたがあの霊は現れることはなかった。
もしかしたら二人で来ていたから出なかったのかもしれない。
A「今日は出なのか…、というか俺は見たことないんだが。」
俺「おかしいな、ここ最近ずっと出てたのに。」
A「まぁ残念だったが、正直な話、やつが出なくてほっとしてる。」
俺「まぁまた明日も来よう、俺が家で1人のときに出るかもしれないが。」
A「それは危ないししばらくお前ん家泊まるわ!」
俺「そうしてくれるとありがたい!なんか少し安心したらしょんべん行きたくなったわ笑」
A「早くその辺でしてこいよ。笑」
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俺はAから少し離れ神社の入り口の横の木の陰へいき小便をしようとチャックを下げる。
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小便をしようとパンツをずらしたとき、虫が足首に上ってきた。
俺「うおっ」
虫が上ってきたので反射的に少し後ろに下がる。
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ちょうどその時だった。
右の視界に何か映った。
誰かが立っていた。
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…白いワンピースの女だ。
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「きぇぇぇぇぇえええ!!!」
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俺「うわぁぁぁぁぁあ!!」
白いワンピースの女が奇声を発しながら突進してきた。少し後ろに下がったおかげで、ぶつからずにお腹をかすめた。
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しかし痛い…!?
お腹を見てみると血がふき出している。
しかし幸いかすり傷のようだ。
尻餅をつきながらも、ばっ!っと白いワンピースの女を見た。
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髪はボサボサで貞子のように髪が顔全体を覆い、右手には包丁を握りしめている。
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女「ゲッゲッゲッゲッゲッゲッゲッ。」
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ニタニタと不気味な笑いで俺に近づいてきた。
やばい。殺される。腰がぬけて動けないっ!
俺「や、やめろ…!!!」
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A「おらぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
俺の異変に気づいたAが白い女めがけて鉄パイプを降り下ろす。
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女「ギャッ!!!」
鈍い音とともに白いワンピースの女は転げ回る。
お札のおかげか効いている!?
ボサボサの髪を振り乱し悶えている。
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しかしAは容赦しない。
もう一度鉄パイプを降り下ろす。
女「グェぇ!」
そうこうしているうちに俺も起き上がる。
こいつがBを…
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コロス。
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金属バッドを白い女の顔面めがけて降り下ろす。バキッと鈍い音が鳴る。
白い女は気を失ったようだ。
Bの敵だ。こいつは殺す。怒りが身体を支配する。頭が白くなる。
こいつさえいなければ…
許せねぇ許さねぇ殺す。こいつはBを…そして俺までも殺そうとしていた。なめんなよ?幽霊か何にか知らねぇがよ。お前は殺す。
殺す殺す殺すコロスコロスコロス…
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バキッバキッバキッバキッバキッ
バキッバキッバキッバキッバキッ
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何度バッドを顔面に向けて降り下ろしたのであろうか。
コウロギの鳴き声と鈍い音だけが響いていた。
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wallpaper:529
気がつくとAは立ち尽くしていた。
俺は何度も何度も顔面を殴打していた。
少し冷静さを取り戻し、白いワンピースの女を見てみた。
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顔面がぐちゃぐちゃになっており、辺りは血の海だ。
もはや顔全体が血肉と化していたので、顔の識別が不可能である。
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俺「死んだ…のか?」
A「おい…これってまさか…
幽霊じゃなくて人か!?」
俺「えっ!?」
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完全に冷静さを取り戻し女を観察する。
手も足もある。俺の足で踏んで見ても踏める。
白いワンピースの女は幽霊なんかじゃなく、「ヒト」だと確信した。
俺とBを恨んでいる人間!?誰なんだ?
しかし顔がぐちゃぐちゃな今、誰であるか分からない。
俺「いったい誰なんだ…。」
A「こいつの所持品を調べてみよう。」
こいつに触るのは嫌だったがポケットを探る。
A「何も入っていないな。」
俺「…」
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sound:18
!?!?
は?え?
あれ?待てよ?おいおいおいおい、なんでここに?
分かってしまった…こいつの正体。
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左手に俺がプレゼントした腕時計があった。
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あり得ないあり得ないあり得ないアリエナイ。
母さんが?なぜ俺を!?え!?
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俺「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
俺は発狂した。
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何も考えられない。
ただただ俺は叫んでいた。
このままじゃ精神的に壊れそうだ。
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ドカッ!
その時Aに思いっきり殴られた。
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music:4
A「落ち着け!!!」
Aに殴られたおかげか、少し頭を冷やすことができた。
A「いったいどうしたんだ?」
俺「この女…俺の母さんだ。」
A「は…?んなわけあるかよ、なんでお前の母さんが!」
俺「わかんねぇよ!この腕時計俺が昨日あげたやつなんだ。」
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俺もAもしばらく放心していた。
落ち着いてみると、正当防衛とはいえ俺とAは殺人犯だ。
俺「明日の朝、警察のとこへ行くよ。全部俺1人がやったことにする。」
A「で、でも…。」
俺「A!お前はもうすぐ結婚するんだろ?」
Aはこの前、付き合って三年近くなる彼女へのプロポーズが成功したと自慢していた。
白いワンピースの女の正体が母さんである理由は定かではないが、俺が原因の可能性が高い。Aは悪くないし俺の命を救ってくれている。
実際Aは数度殴打しただけで、殺したのは完全に俺だ。
俺「いつもAには世話になってるし、たまにはこういうのもありだろ?正当防衛だしそんなに長く刑務所には拘束されないさ!」
A「だめだ!俺も…。」
Aは最初俺だけが罪を被ることに反対したが、しばらくの説得の結果、了承してくれた。
A「すまない…。」
Aは泣いて感謝した。やはりAはいいやつだ。最高の親友だ。
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俺「とりあえず帰ろう。俺は母さんの部屋に何か手掛かりがあるのか調べたいし、それにやり残していることがある。」
A「分かった帰ろう。」
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そうして俺らは帰路についた。
家についた頃にはもう夜中の3時近くになっており、全身クタクタであった。やはり母さんはいない…。
軽い傷であったが、簡単に腹に包帯を巻き、そして母さんの部屋に向かう。
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その前にC子に電話した。
さすがに夜中なので、なかなか出ない。何回もかけるとやっとC子が電話に出た。
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C子「もしもし??」
C子の眠そうな声が聞こえる。
俺「C子、話したいことがある。今から家に来てくれないか?」
C子「まさか白いワンピースの女のこと!?俺君大丈夫なの!?」
俺「白いワンピースの女の事は解決したし、他に話したいこともある。家近いしすぐこれるだろ?鍵は開けておくよ。」
C子「分かった!軽く化粧したいし、ちょっとしてから行くね。」
俺「ああ、待ってる。」
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そう言って電話を切った。
C子にもこの事件の全てを知ってほしいし、
そしてやり残したこと…それはC子に想いを伝えることだ。
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待っている間母さんの部屋を物色する、
そういえばいつも肌身離さずもっていた日記が怪しい…。
そう思い日記を探す。
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あった…。
母さんのいつものカバンの中に日記があった。
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読む前に携帯の充電が切れそうなことに気づいたので、二階の自室に戻り携帯を充電する。
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さてと…。
日記を最初から開いてみる。
だいたいはいつもの日常の事が書かれていた。そしてページをめくっていると。
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○月×日
「俺君が最近様子がおかしい…。こわい…。」
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え、なんだこれ!?俺がこわい?
その日は事故にあうけっこう前の日付だ。
ぐっ!頭が痛い。
ページをめくっていく。
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○月△日
「今日俺君に殴られた。
パチンコに負けてむしゃくしゃしてたらしい。こわい…。」
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○月×△日
「夜中いつも上の部屋でいつもの悪友とドンチャン騒ぎしている。うるさくて寝れない。」
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△月××日
「今日も殴られた。殴っているのを楽しんでいるようだ。痛い…。」
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△月○△日
「完全に私に対して暴力をふるうのが当たり前になってきている。
背中にタバコの火を押し付けられた。
私が泣き叫ぶのが嬉しいのか?
だめだ苦しいよ…助けて。」
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music:7
思い出した。
俺は母さんに
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虐待を繰り返しいた。
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ズキッ!
頭が割れるように痛い!痛い!
記憶障害のせいか今やっと完全に思い出した。
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そう…俺は最低な人間だった。
毎日のように母さんを殴った。
社会の中で自分が認められない、何もうまくいかなかった。そのフラストレーションを母さんにぶつけた。
身体中アザだらけなのは母さんがドジだからではない。俺がそうしたんだ。
母さんが泣き叫ぶ姿を見ることが、やがて快感に感じていた。
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俺は何をしていたんだ…殺されて当然だろ…。
俺がフリーターを始めたきっかけも、俺の虐待のせいで母さんが身体を壊したからじゃないか。
思い出すまでは仲良し親子だったのに。
実際はどうだ?俺は母さんをゴミのように扱っていた。
俺はなんて愚かだったのか、自然と俺は号泣した。
そして日記を読み進める。
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△月×○日
「虐待がエスカレートする。全身が傷だらけだ。死にそう…。俺君なんか死ね死んでしまえ。社会のゴミが。」
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×月○日
「決意した。こいつは母として殺さないとだめだ。殺してやる必ず、絶対に殺してやる。」
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×月△日
「やった!!あいつが事故を起こして意識不明の重体らしい!あぁ神様…どうかこのままあいつが死んでしまいますように…。」
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☆月○日
「あいつが目を覚ましたらしい。
退院したら戻ってくる。嫌だ嫌だ嫌だ。」
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×月☆○日
「あいつが今日帰ってきた。身構えたが、何もしてこない。それが逆に怖い…。あいつが夜寝静まった後殺すタイミングを伺ってドアの隙間からじっと見ていたが勘づかれたので逃げた。」
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×月☆×日
「俺君がいつもバイトに行く時に通る細い道にまきびしをまいたが失敗。」
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「放火して殺そうとと思ったが失敗する。なんであいつはタイミングよく起きたんだくそ。仕方ないので白いワンピースの女が出たと嘘をついて演技して乗り切った。」
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×月△○日
「母の日でプレゼントをもらった。あいつ何を企んでいるんだ?原付きのタイヤを切り裂いてやった。しかしことごとく失敗に終わる。なにやら俺君がB君のことで騒いでる。」
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×月△×日
「俺君が○△神社に夜1人で行くらしい!これはチャンスだ!白いワンピースの女のせいにして殺そう!白いワンピースを着て変装し、今日絶対殺す。コロス…」
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ここで日記は終わっていた。
母さんは確かに俺を殺そうとしていた。その理由も分かった。
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でも…あれ?
ちょっと待てよ…
おかしくないか?
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やっぱりおかしい!
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母さんは白いワンピースの女ではない…。
母さんは白いワンピースの女の振りをして殺しにきただけだ。
母さんはBを殺していない。
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まだ何も解決していない…!!
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冷や汗が流れる。
俺がしたこと…母さんを殺しただけ。
白いワンピースの女はまだ生きている…。
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よく考えると確かにあの日二階の窓に白い女が張り付いていた。
そんなの人間にできることじゃない…!
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とりあえずすぐにAに電話をかける。
A「もしもし?」
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俺は全てを話した。母さんを虐待していたこと。白いワンピースの女の正体は母さんではないこと。
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A「まじか…。お前大丈夫なのか!?白いワンピースの女に狙われているのはお前なんだぞ!!」
俺「今のところは大丈夫…。」
A「お前は絶対生きろよ!ほんと頼む…!」
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俺「分かった約束する!C子が家にもうすぐ来るし、想いを伝えないといけないしな!」
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A「は?」
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俺「いやこんな状況だからこそC子に想いを伝えたいと思って!」
A「いやいやなに言ってんの?」
俺「え?だからさっきC子に電話して今から家呼んで告白すんだよ!なにがおかしいんだよ!」
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A「なにいってんだよ…
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C子は死んだじゃないか…。」
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Aは何を言っているんだ?C子が死んだ?さっき電話したじゃないか。
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A「お前とC子は原付きで二人乗りしててトラックに跳ねられて、C子は死んだんだよ!!!」
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ズキズキッ!!
頭が痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイ…。
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A「お前看護師から聞いたんじゃなかったのか…!?」
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あぁそうか。
全てを思い出した。
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肝だめしの帰り俺はC子と二人乗りをしてて一緒に跳ねられた。
確かにあの事故の後から、A、B、C子と四人でいるとき会話が少しおかしかった。噛み合わなかった。まるでAとBはC子を見えていないようだった。居酒屋で最初ビールが3つしかこなかった。
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全て…辻褄が合う。
そしてあの肝だめしの夜…
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C子は白いワンピースを着ていた。
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ズキッ
あのとき二階の窓で目が合ったときの顔を思い出した。
完全にあれはC子だった。
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そうだった。
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A「もしもしっ!?俺君!!大丈夫か!?!?」
携帯を耳につけているのにまるで遠くから声が聞こえてくるようだった。
返事をすることができない。
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sound:26
ガチャ…。
玄関のドアが開く音がした。
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sound:14
タッタッタッ
ゆっくり階段を上る音が聞こえる。
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sound:14
タッタッタッ
あの肝だめしのとき俺が肝だめししようと言い出した。そして俺が目薬をしたせいでC子を死なせた。
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sound:14
タッタッタッ
Bがあのとき隠れて驚かせなかったらC子は死ななかった。
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sound:14
タッタッタッ
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足音は俺の扉の前で止まった。
俺は金縛りにあったかのように動くことができない。
声も出ない。心臓が今にも爆発しそうだ。
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ガチャ
扉が少しずつ開く…。
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白いワンピース姿のC子がそこにいた。
ゆっくり近づいてくる。助けて…。
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意識が遠のいていく中…
C子の声がハッキリと聞こえた。
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「オモイダシタ…?」
作者すぐる
感想、アドバイスなんでもいいんでコメントくれると嬉しいです。
長くなりましたが、少しでも楽しんで頂けると幸いです。