*僕だけがビビリまくっているリアル体験談。
お酒に添えられるピスタチオの様に、数ある怖話の小休憩位に、お楽しみ頂けたら幸いです。
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切っ掛けは、TVの心霊特集で紹介された、1枚の心霊写真でした。
場所の特定されていない、出所不明の写真が画面に映し出された時、
「※※(県名)だ!!」
…予期せぬ言葉が自分の口から飛び出したんです。
ちょっと驚きました。
僕は零感人間ですし、心霊写真の中の霊を見付けるのさへ、●ォーリーを探すより下手くそな人種です。
しかも僕が口にした名の県は、僕とは縁もゆかりも無く、行ってみたいとも思った事がありませんでした。
ただ、その県名を口にした瞬間から、猛烈にその写真が…正確にはその場所が怖くなり、僕はTVを消してガタガタと震えていたのを憶えています。
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あ~、怖かったぁ…で終わる筈だった、この出来事。
どうやら何かの始まりだった様で、何の因果があるのか…どんな縁があるのか分かりませんが、何故かそれ以来、※※県に[呼ばれている]みたいなんです。
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その恐怖が再び訪れたのは、偶然取れた連休を利用して、前々から行ってみたかった九州に行こうと思い立った時でした。
休みの朝、突発的に思いついた、無計画な行動でしたが、平日だし、シーズンオフだから宿も新幹線の座席も、簡単に取れるだろうと軽い気持ちで行ったんです。
そんな浮かれ気分に冷水を浴びせたのは、切符売場で対応してくれた窓口嬢。
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「九州方面の喫煙席は、満席ですね…※※県方面の喫煙席なら空いてますよ。そちらにどうですか?」
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※※県、東北なんですが。
僕が行きたい九州と真逆なんですが。
そもそも新幹線の切符買うのに、窓口で指定した県名以外の県名言われて、そちらにしたら?なんて言われたの、初めてですよ。
窓口嬢は、僕が仕事で行くのか遊びで行くのかさへ、知らない訳ですし、まして行き先を今朝決めた突発旅行である事なんて、分かる訳がありません。
最もその時の僕は、[※※県]の一言で、得体の知れない恐怖に襲われ、歯の根も合わない程震えていた為、窓口嬢に突っ込みを入れる余裕はありませんでしたが。
…そんなこんなで切符を買うのも躊躇して、一旦売り場から離れたのですが、待ち構えていた様に駅員さんが寄ってきて、
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「※※県行きの乗り場ならアチラですよ。」
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と気さくにご案内してくれ様とします。
因みにこちらの駅員さんは、チケットを巡る僕と窓口嬢のやり取りは知りません。
たった今、ホームの方から改札を通って僕にたどり着いた人ですから。
この人の一言で完全に怖くなり、ヘタレな僕は旅行自体を断念して、トボトボと家路に着きました。
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それからも、何かと付きまとう[※※県]と、訳の分からない恐怖心。
3等の折り畳み自転車狙って、申し込んだスーパーのキャンペーンで、※※県の温泉が当たったり(奇跡の1等でした)、もう何年も連絡の途絶えた知人から、※※県に住んでる……遊びに来ないかと執拗に誘われたり、会社の僕の書類の端だけに『※※県○○○○○(人名)』という走り書きが印刷されていて、書いた該当者無し……そもそも※※県の出身者・縁者無しで、皆が首を傾げるというおかしな事があったり…………。
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極めつけは、道端で知らないオバチャンに突然話し掛けられ、
「貴方、※※県行きなさいよ!良い事あるわよ!」
と、怖い笑顔でお奨めされたり…。
こんな事が続いて、遂に僕の心に恐怖とは違う、怒りが宿り出しました。
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行って白黒付けてやる!!
大体、県名1つにビビリ過ぎなんだ!!ただの偶然が重なっただけなんだから!!
…と、自分に言い聞かせ、一念発起して※※県に出掛け様と思った途端…
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「その旅行、止めた方がいい!!悪い予感がする!!」
「死にたくなったら、脚を向けろ。そうじゃないなら、止めておけ。」
「駄目だ、絶対に行かせない…行ったらお前、還ってこれない。」
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………と、同僚・友人・同居人という3人の霊感持ちサマに、待ったを掛けられてしまいました。
何で3人、日付も時間も場所さへもバラバラに話したのに、同じ方向性のご回答なんだ…
てか、行ったら還れないとか何?死ぬの?
何で死ぬんだよ?
と、恐怖全開の涙目で伺いますと、3名サマは各それぞれが次のご返答を下さいました。
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「「「そこがお前の終焉の土地だから。」」」
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………かくして、僕は未だに※※県には足を踏み入れておりません。
そして、悲しいかな、あのTV放送を目にしてから、少なくとも10年以上は経ったと思うのですが、未だに僕と※※県の戦いは続いております。
作者怪談師Lv.1
長い駄文にお付き合い頂き、有難うございます。
今回のエピソードの裏話を少々。
リアル怖体験の乏しい僕は、このお話を機会があればお話させて頂いているのですが、
『自分も“終焉の土地”という言葉を、人から言われた事がある。』
という方に3人お会いしています。
どなたも、霊能者だったり占い師だったりと、アチラ側にアンテナの立ってらっしゃる方からお聞きになったそうです。
霊感さんの共通語なのでしょうか?
僕は身近な友人達に聞いた言葉だったので、『カッコ付けた言い方しちゃって~!大した事無いクセに~!』なんて思っていたので、心底びっくり&ガクブルしたのを覚えています。
はっきり言って、僕の話なんかよりその方達のお話の方が、よっぽど怖かったんですが、間抜けな事に人にお話していいか、お聞きするのを忘れてしまった為、お話出来ません。
非常に、悔やまれる!裏話でした。
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