短編2
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三階特別病棟での出来事

俺が新しい職場に入って1ヶ月くらいの体験話し。

新しい職は病院清掃。

仲間は女性ばかりだが、皆気さくで人当たりも良く男でも働きやすいそんな職場だ。

色々仕事の内容はあるが、それはあまり話しに関係ないからはしょるが。

仕事の内容に、最後見回り点検がある。

午後最後の時間は俺一人になるから、見回りはいつも俺がしている。

そんな見回り点検中の話。

その日は天気もわるく、廊下が湿気ってぺたぺたとしていた。

最上階の三階から一階へと見回り、一階に降りた時、俺はため息をついた。

…、塵取り三階に忘れた。

三階で廊下に塵を見つけてはわいた後に廊下の壁に立て掛けたんだ…。

急いで三階に取りに戻る。

ちなみに三階は特別病棟…。

寝たきりのご老人ばかりだ。

三階にあがり、奥の部屋前廊下にポツンと忘れられた塵取りを俺は回収する。

「ザザーーーッ」

その時横に見えるトイレから水が流れる音がした…。誰か入ってたのか?

塵取り片手にトイレを覗きこむが、電気もついてなく誰もいない。

良く考えればまず流れる訳処か、人がいるはずがない。

ここは三階、特別病棟。

皆寝たきりなのだから。

だが、トイレはセンサー式。

俺は誤作動だろうと思い、いや、思い込み、エレベーターに向う。

「ザザーーーッ」

「ザザーーーッ」

「ザザーーーッ」

エレベーターに向うまでにあるトイレが全て俺が通る前に流れる…。

もう思い込みではいられない。

早歩きから、駆け足へ。

エレベーター前にきてボタンを連打。

中々こないエレベーターにイライラとボタンを押す。

おかしい。

エレベーター横のナースステーションには誰もいない。いつも見かける介護がいない。

恐怖で汗だくになった時。

「チンッ」

エレベーターに素早く乗り込み一階ボタンを押した時。

閉まる扉の向こう…。

砂嵐、ノイズの様な影が立っていた。

「!!」

驚き後ろの壁に背をつく俺に向かって影が手を伸ばした瞬間に扉がしまった。

一階につき、扉が開いたらそこはいつもの様に看護師達が慌ただしく行き交う廊下。呆然とする俺はその場にへたり込む。

が――、エレベーターの戸が閉まりかけ、アワアワと俺は塵取りを抱え飛び出した。

反射的にエレベーターを振り返ると、追い討ちをかけるがごとくエレベーターは三階へと上がっていった。

それが俺の職場での体験です――。

怖い話投稿:ホラーテラー 甘さん  

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