七五三の神隠し。〔中譚〕

中編7
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七五三の神隠し。〔中譚〕

前回の話から14年後。去年、自体は一気に動きました。

私は、ネットで小説を書いています。その作品をとあるSNSアプリで宣伝したところ、一人の男性からメッセージが届きました。

「自分の配信で朗読させて頂いてもいいですが?」

その申し出を私は二つ返事で快諾し、男性からその配信アプリの名を聞いてインストールしました。せっかく読んで下さるのですから、ぜひ聞きたいと思ったんです。

そして、配信を聞いた後1週間ぐらい私は配信アプリをインストールしたことも忘れ仕事に奔走していました。久々の休みに特にすることも無く手持ち無沙汰でスマホを弄っていて私は配信アプリをインストールしていたことを思い出しました。

そこからアプリを一通り見て、誰の枠でも自由に入れて主の許可さえあれば凸に上がれるのだと知りました。私は、そこであるキャストさんと仲良くなりました。

男性不信で極度のあがり症の私が驚くほど仲良くなれた人でした。1週間もする頃には、私は彼を「兄さん」と呼んで本当の兄の様に慕っていました。

そんな明くる日の事、「兄さん」から私のスマホに連絡が入りました。個人連絡先は、割と早い段階で交換していました。

そして、話の内容というのが

兄「明日の夜さ、近所の廃墟に知り合いの財布拾いに行ってくるわ」

私「は?」

意味がわかりませんでした。詳しく聞くと、どうやら「兄さん」の知り合いが近所の廃墟に所用《詳細不明》で行き財布を落としてきたので代わりに拾いに行って来ると言う事でした。

……詳しく聞いたら、余計に訳分からなくなりましたが。

私「えっと……なんで、兄さんが行くの?落とした本人は?」

兄「あ〜、なんか廃墟行った次の日から謎の高熱で寝込んでる。だから、俺が代わりに行ってくる」

私「そっか〜……って、納得できるか!!」

どう考えても知り合い呪われてるじゃねぇか!っと心の中でツッコミました。しかし、「兄さん」の意思は固く私は気をつけなよとだけ言いました。

そもそも「兄さん」はオカルト一切信じない人なのと言い出したら聞かない人だったので説得を諦めたのです。でも、廃墟実況配信するって馬鹿なこと言ったのは全力で止めました。

翌日の夜21時を過ぎた頃です。「兄さん」から電話が来ました。

私「もしもし?どうした?」

兄『あ、もしもし?あのさ、今から例の廃墟行くからこのまま通話繋いでていい?』

私「……はい?」

聞き返した言葉を私が了承したと勘違いされ断ることも出来ずに強制で廃墟実況通話をする羽目になりました。廃墟についてですが、精神の状態が安定しない人を隔離する施設だったそうです。

因みに

兄『今は、近所で有名なハ〇テン所だけどな』

私「あ、その情報は要らなかったわ。ソッチの意味で襲われたら問答無用で通話切るね」

そんな話をしつつ「兄さん」は廃墟に入ったのですが……

兄『うわぁ……ここは、病室?あ、カーテンだ……わっ!

湯船に髪の毛……うげっ、カツラか?……おっ!ビックリしたマネキンかよ……脅かすなよな』

私「私はあんたの声に驚かされてるけどな?!」

本当に何回切ろうと思ったことか……そんなこんなで廃墟内を探索していた「兄さん」でしたが、ある物を発見しました。

兄『ん?ベットの下に何か……茶封筒?』

私「え、何?」

兄『いや、何か謎の茶封筒見っけた』

私「今すぐ戻せ。見なかった事にしろ」

兄『え〜……これ、戦利品にして明日の枠で公開しちゃダメ?』

私「何言ってんの?」

説得はした。まぁ、聞き入れては貰えなかったのだが...………

私「はぁ……解ったよ。でも、それだけだからね?

後は絶対に何にも触るなよ?」

兄『解ってる。解ってる』

この時許可したせいで、あんな恐ろしい目に合うなんてこの時の私は思ってもいなかった。その後は、何故か廃墟に置かれたままの仏壇を発見し「兄さん」がその仏壇に置かれた鈴を鳴らしたりして本当にふざけんなと思いながら何とか2階で財布を発見し帰宅する事に。

私も通話を切って眠りに着きました。すると、翌日の夕方。

本当に戦利品の公開枠が開いていました。なので、殴り込みという名の凸に行ってやりましたよ。

茶封筒の中身は、ホラー映画に出てくる子供の描いた怖い絵みたいな女性の上半身だけが描かれた紙《端に3日後と書かれていた》と

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ノートの切れ端に「お父さんお母さん先生、〇〇ちゃん《〇に入る文字忘れた》みんなごめんなさい」みたいに書かれた物が入っていた。正直、悪寒がすごくて直ぐにでも逃げ出したかったがストッパーがいなくなったら「兄さん」はさらに暴走すると思いグッと堪えました。

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因みになんですが、何故か私は上半身だけの女性の絵を見た瞬間【姦姦蛇螺《かんかんだら》】だっと直感で思っていました。

〔※姦姦蛇螺《かんかんだら》について詳しく知らない方はお手数ですが調べて下さい〕

しかし【姦姦蛇螺《かんかんだら》】は封印されている場所から外には移動できないので、仮にそうだとしても何かあるわけないとその時は思っていました。……いや、思いたかったのかもしれません。

更に茶封筒には、もう一つ入っていました。それが赤黒い何かを包んだちり紙です。

本当に鳥肌がたちました。これはヤバいって全身が警鐘を鳴らす感覚……生きた心地がしませんでしたよ。

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ちり紙を見た時は【コトリバコ】って言葉が浮かんで、直後に「兄さん」が開こうとしたので本気で止めました。コメント欄の皆も一緒に。

いよいよどうしようかと思っていた時です。

初「すいません。初見なんですが、凸いいですか?」

そうコメントが来て「兄さん」は直ぐにその初見さんを凸に上げてました。凸に上がった初見さんは震える声で

初「はじめまして……えっと、まずそのちり紙は開けない方がいいです。茶封筒に戻してそれ以上触らないようにして下さい」

兄「ん?なんか分からんけど分かった」

「兄さん」は初見さんの指示に従い茶封筒にちり紙を戻したようでした。ガサガサと音が聞こえました。

初「こんなこと言うと変な奴って思われるかもなんですが、僕けっこう霊感があるんです。

それで、たまたまこの枠に来たらヤバいことしてたので思わず凸に上がらせていただきました」

兄「霊感って見ただけでヤバいとかわかるの?」

初「物によりますけど……さっきのは、多分【コトリバコ】系だと思います」

私は【コトリバコ】って心の中では思ってましたが、口に出してはいなかったので驚きました。

初「あと、最初に出てた紙のイラスト【姦姦蛇螺《かんかんだら》】だと思います」

私「……あの、後出しジャンケンみたいなこと言うんですが私も【姦姦蛇螺《かんかんだら》】と【コトリバコ】だと思いました」

初「やっぱり……林檎さんは霊感強いなって思ってたんです」

私「でも【コトリバコ】はともかく【姦姦蛇螺《かんかんだら》】って封印されてますよね?」

初「そうですね……なので、この紙を見た人間の元に一時的に呼び出す呪いみたいなのがかかってるんだと思います」

私「それって、端に書かれてる【3日後】に来るって事ですか?」

初「だと思います」

話が少し変わるんですがね。私その日、窓のカーテン閉めてなかったんです。

それで、初見さんが「だと思います」って言った時。何か妙な気配みたいなのを感じて、窓の方を見たんですよ。そしたらね。

居たんですよ。黒い袴《弓道着の様》を履いた黒い長髪の女が、しかも雨なんか降ってないのに全身ずぶ濡れで外は真っ暗なのに昼間みたいに女の姿ははっきりと見えたんです。

終わったって思いました。何がって?人生ですよ。

でも、変なとこで真面目さが仇になって枠にいる人を無闇に怖がらせたらダメだって思ってその事は言いませんでした。直ぐにカーテンを閉めて布団を被って震える手でノーパソ開いて、凸で話すのと並行してお祓いの方法って検索してました。

ただそれも、次の初見さんの言葉で無意味だと思い知りましたがね。

初「あと、多分【姦姦蛇螺《かんかんだら》】が行くとしたら主さんのとこじゃなく。

林檎さんのとこだと思います」

私「……え?なんで?」

理由はその時は分かりませんでしたが、初見さんの守護霊がそう言っていたそうです。でも、私はそれが事実だとわかっていました。

だって、カーテンの向こう窓の外に既に来ているのですから……

もう遂に万事休すと諦めかけたその時でした。

祝「初見です。凸いいですか?」

また、初見で凸に上がりたいと言う人がやって来たのです。「兄さん」はまた直ぐに凸に上げていました。

その人は凸に上がると直ぐに

祝「はじめまして」

初「あれ?空気が軽くなった……」

祝「いやぁ、なんか呼ばれた気がして来ました~……

まぁ、冗談はさて置いて君《初見さん》は直ぐに枠から出な。今日は他の枠にも行かない方が良いよ。あと、主さんはさっき撮った写真も消した方がいい」

初「あ……じゃあ、そうします。

ありがとうございました。凸礼です」

兄「言われた通りにしたけど、君も霊感あるの?」

祝「まぁ、そんなとこですよ。

で、大丈夫ですか?林檎さん」

その時、私は心臓が苦しくて過呼吸にまでなりかけていたのに何故かその人の声に凄く安心したのを覚えています。そして、震える声で

私「あ、えっと……大丈夫では、ないかな…………なんか、悪寒と目眩が……やばいです。

……あと、息……出来、ない」

祝「わかりました。……高天原に神留座すーーーー」

その時は分かりませんでしたが、彼はいわゆる【祝詞】を読んでくれたのです。そして、最後まで聞くと私の体はすっかり元通りで怖さも薄らいでいました。

私は恐る恐るカーテン開けて確認しましたが、そこにはもう何もいませんでした。

その出来事がきっかけで私は祝詞の方と連絡先を交換しました。「兄さん」とはその後、色々あり今では連絡先も分かりません。

何処かで幸せにやってる事を願います。

祝詞の方に言われたのですが、私と「兄さん」は前世で実の兄妹だったからそのせいで私は【姦姦蛇螺《かんかんだら》】に狙われたのだろうと言われました。

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