短編2
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覗かれた夜

春先の出来事なんですが…

生後間もない赤ちゃんと二人、自宅ゲストルームでお世話がてら夜は就寝していたんです。

その頃は昼夜問わず、1〜2時間おきに起きて泣く赤ちゃんのお世話に追われる毎日だったので、正直うとうとして起きてと、常に頭はぼんやり&寝た気がしない状態で、夢なんだか現実なんだかよくわからないような感覚でいることもありました。

そんななかで、今でもはっきりと覚えていて感触まで思い出せる出来事があります。

その日も赤ちゃんに合わせてひとしきりのお世話をし、寝はじめたので私も寝ようとベッドに横になりました。

目を閉じると自動的に眠れるような、睡眠不足だったこともあり、すぐに眠りについたのです。

浅い眠りになったとき、目は閉じているのですが、部屋の様子が写しだされて、薄明かりのなか横たわる自分と赤ちゃんがいるのが分かりました。

カーテンはもちろん窓も閉め鍵もかけてあるのに、カーテンがふわっとなびいてちょうど誰か入ってくる感じにめくれ上がったのです。

この時も目は閉じたままで、「あれ?」と思いつつも、もう身動きできなくなっていました。

怖いというよりも、自分は夢を見ているからなんだと傍観している感じでしたね。

音もなく姿も見えず、ですが気配を感じるんです。

カーテンがめくれてその何かは部屋に入ってきました。

赤ちゃんと私のベッドはくっつけて並べているのですが、そこに敷いてある私の布団の上を歩いて(しかも少し早足で)布団が浮き沈むのが分かりました。

私の枕もとを歩き、枕が片寄り頭が移動したときに(沈む感覚と枕カバーが踏まれる音)

『夢じゃない。』と初めて気づきました!

金縛り状態で動けないため、赤ちゃんを庇うにもどうにもならず、とにかく去ってくれることを祈りました。

枕もとを過ぎ部屋のドアまで何かは行ったのですが、

また私の枕もとまで戻り、私を覗き込みました!

相変わらず姿形はわからないままですが、息遣いはやけにはっきりしていて、顔に息がかかりました。

そのとき初めて怖い〜と思いました。

覗き込んだあと、何かはドアから出て行きました。

同時に金縛りは解け、隣ベッドの赤ちゃんを確認するとスヤスヤ眠ったままでホッとしました。

やっぱり夢だったのかなと再び横になろうとしたとき、ふと枕をみるとかなりズレた位置にあり踏まれたあたりは足型にへこんだままでした。

カーテンは不自然にめくれたまま。

あらためてぞ〜っとし、その夜は眠れなかったです。

なんだったのでしょうか…

怖い話投稿:ホラーテラー ちっちゃこさん  

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