長編13
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お多福女 最終章

この話は「お多福女」の続編であり最終章です。

既にアップしている「お多福女」か「お多福女再び」のどちらかを読後の上で読まれることをお薦めいたします。

リンクは下欄に貼っております。

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毒島刑事は眠い眼を擦りながら、車窓の向こうに広がるのどかな田園風景を眺めていた。

彼方に臨む連なる山々は既に秋の紅葉を纏っているようだ。

この日は朝から強行軍だった。

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朝イチに東京から新幹線に乗り、昼過ぎに九州中東部のM駅に到着。その後ローカルバスに乗り換え、目的地であるG村に向かっているのだ。

ここは天孫降臨で有名な国の名勝のT渓谷が近くにある山あいの小さな集落である。

毒島が東京からわざわざ九州のこのような場所に行くことになった経緯は昨晩のことだった。

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午後9時を過ぎた捜査一課の室内は薄暗く、数名の姿しかなく、静かだった。

毒島がデスクを片付け、そろそろ帰るかと席を立とうとした時だ。

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「毒島さ~ん、電話です」

若い署員の声がする。

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─ん、こんな時間に誰だろうか?

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思いながら、目の前にある電話の受話器を取る。

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「もしもし、、、毒島さんでしょうか?」

低く押さえ気味な女の声がする。

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「そうですが、あなたは?」

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一つ間を置いて、女はしゃべり始めた。

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「突然にすみません。私、安養寺と申します。

実は毒島様に折り入ってお話したいことがあるのですが」

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「どんな話でしょうか?何か事件に関わることでしょうか?」

毒島が尋ねると、女はあっさりとこう言った。

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「お多福女のことです」

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唐突な女の言葉に、毒島の脳内は一瞬真っ白になるとともに、心臓が激しく脈打ち始める。

受話器を強く握りしめ、彼は徐に口を開いた。

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「あの、『お多福女』というのは、、、」

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「はい。数年前から世間を賑わしている、あの『お多福女』のことです。そのことで、あなたにお話したいことがあるのですが、、、」

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お多福女、、、

毒島がここ最近で、この忌まわしい女のことを思わなかったことはない。

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宝くじに当選した男がビルから飛び降り自殺、

その数日後には、同僚の朝生が署内で拳銃自殺、

そして極めつけは、輝かしい未来の入口に立っていた娘婿の義彦くんが朝生の自死の前日夜、会社の上場を祝う打ち上げの最中に、突然皆の前に立ち、満面の笑みを浮かべながら箸で喉を数回突いて亡くなった。

出産直後だった娘はこのことがショックで鬱を患い、無表情になり、全く口を開かなくなってしまった。

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これら一連の悲劇は全てが自死であるため、特に事件性のない限り警察として動くことが出来ない。

だがどれもこれも全く死への動機の欠片さえ見当たらないような、不自然な自死だ。

亡くなった朝生が言っていたように、やはりこれは、あのお多福女の仕業なのだろうか?

毒島はどこか納得の出来ない沸々とした思いを抱きながら毎日を過ごしていた。

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そんな時の、この電話だった。

聞くと女は、九州中東部にある小さな集落の者という。

それで彼は有給を使い、翌日思いきって、この安養寺という女に会いに行くことにしたのだ。

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M駅からローカルバスで揺られること、およそ一時間。

低く連なる山々が間近に迫ってきた辺りの県道沿い、「G村入口」という停留所で毒島は降りた。

朝6時過ぎには東京の自宅を出たのだが、今時計を見ると、午後3時になろうかとしている。

九州の中東部とはいえ季節はもう秋真っ盛りで、吹く風は冷たい。

毒島はコートの襟を立てた。

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木製の古びた屋根つきの待ち合い所の前に、その女は立っていた。

毒島は女の顔を見た途端、正直驚きを隠せなかった。

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桃割れ頭に極端な下膨れの白い顔。

広い富士額の下にある目はミジンコのように細く、丸い鼻とおちょぼ口。

それは正に「おかめ」そのものだ。

年齢は30前後で、ふくよかな体躯にフリルをいっぱいあしらった白のブラウスに黒のロングスカートという服装をしている。

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女は神妙な表情で、

「安養寺清子と申します。

この度は、このような辺鄙なところまでわざわざお越しいただき、本当にありがとうございます」と、深々と礼をした。

それから毒島は清子の後ろに従い、道路脇に停めてある軽自動車の助手席に乗り込んだ。

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車の助手席からしばらく外を眺めていると、ハンドルを握る清子がポツリと呟く。

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「あれが、私の住むG村です」

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見ると左手のガードレール越しに、紅葉を纏う山あいの盆地にある小さな集落が見えてきた。

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「村外れにあるT渓谷は、天孫降臨伝説で知られる国の名勝です。

T渓谷は全長約1.7kmの渓谷で、幾何学的な岩の造形やエメラルドグリーンの水面が生み出す光景は、九州を代表する神秘的光景のひとつです。

天孫降臨伝説というのは、

高天原(たかまがはら=天界)にいた神々の中から天照大神の孫である瓊瓊杵命(ニニギノミコト)を中心とした一行が地上に降り立ち、この地を治めたという話で、この辺り一帯は「神話のふる里」と言われております」

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清子のこの説明の後、車は左折し、どんどん道を下っていく。それからしばらく農道を走り続けると、あっという間に車は村の入口に来ていた。

今はほとんど見られない藁葺き屋根の家や古びた日本家屋が、道の両脇に立ち並んでおり、どこか昭和の良き時代を彷彿させる。

ただ歩いている人の姿は無く、なにやら薄ら寒くモノクロな風景だった。

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車はどんどん進んでいき、やがて一番奥まった小高い丘の上にある神社の敷地に入っていった。

紅葉で飾られた木々が両側に立ち並ぶ広々した敷地には、所々に苔むした石灯籠が立っている。

正面には朱色の鳥居。その奥に本殿とおぼしき古びた社。

そして隣には立派な構えの日本家屋がある。

清子は車を駐車すると毒島を伴い、鳥居を潜ると、日本家屋の玄関に向かった。

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がらりと玄関の引き戸を開け、清子は広々した玄関口に立つと、黒光りのする廊下の奥に向かって「ただいま、帰りました」と言い、靴を脱ぐ。

毒島も靴を脱ぎ、並べられたスリッパの一つに足を入れた。

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それから清子の丸い背中に付き従い、薄暗い廊下を歩いていく。廊下の右手には一定間隔で障子が並んでいた。

突き当たりを曲がり、左の窓越しに中庭を眺めながらさらに廊下を真っ直ぐ進み、最も奥まった所にある障子を彼女がスルリと開けると、そこには広々とした日本間があった。

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正面奥に、掛け軸と立派な仏壇がある。

眼を引くのは、仏壇上方の長押に並ぶ様々なお面だ。

般若、猿、狐、ひょっとこ、おかめ、、、。

どれもこれも、一目で年季の入っていることの分かるような傷み具合だ。

チリ一つない畳の間の中央には大きめの座卓が一つあり、掛け軸を背に着物姿の男?が一人正座している。

毒島はその男の顔を見た途端、ドキリとした。

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お面をしているのだ、、、

下膨れの白い顔に細い目。

それは、紛れもない「おかめ」の面だった。

清子は男の隣に正座し、毒島は座卓を挟み、正面に正座する。

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清子が口を開いた。

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「私の隣にいるのが父、安養寺源三です」

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おかめの面をした源三が、ゆっくりと頭を下げる。

あわてて毒島も礼をする。

濃茶柄の渋い着物を羽織り、首筋の皺から恐らくは、80は越えているように見える。

戸惑う表情の毒島の様子を見て、清子が続けた。

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「この父のお面、奇妙に思われるでしょうね。

無理もありませんよね。

このことを理解してもらうには、当家のこと少し説明しないといけません」

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「我が安養寺家は代々、このG村における神事や祭事を執り行う家系です。

そしてそのような政を行う時は必ず、お面を付けて行います。

不幸事のときは、「般若」

祝い事や新しくお客様をお迎えするときは、今父がしているような「おかめ」を、、、」

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毒島は清子と源三の顔を順に見、それから口を開いた。

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「お宅の家のことはだいたい分かりました。

それで、それと『お多福女』との関わりというのは?」

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清子がまた口を開く。

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「私には、響子という双子の姉がいました。

母は私たちを産む時に肉体に相当な負担が掛かっていたらしく、出産後数日で亡くなったそうです。

ですから私たち姉妹は母親の愛情を受けられず、育ちました。

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双子でしたから容姿は瓜二つだったのですが、性格は全く違っておりました。

私はどちらかというと陽な性質で友人も多く、どんどん表に出ていくタイプです。

対して姉の響子は幼い頃からほとんど家に籠り、部屋で一人遊びばかりしていた陰な性質で、人一倍劣等感が強くて、特に自分の容姿についてはかなり気に病んでいました。

また他人に対する妬み嫉みも強かったように思います。

小中学校時代は容姿をネタに、男子たちからかなりいじめを受けていたようです」

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「そしてとうとう、悲しい出来事が起こってしまいました。

あれは確か私たち姉妹が高校に進んでから、半年が経った日のことだったと思います。

その日私は部活の後、夕方くらいに家に帰りました。そしたら玄関の前に救急車が停まってるんです。車の傍らで険しい顔をして立つ父に、私は事情を尋ねました。

そしたら「響子が、響子が、、、」と、ただ繰り返すだけです」

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「後から聞くと、信じられないことに姉は自室で、顔面に油を塗りたくり、火を放ったということでした。

幸い命には別状は無かったのですが、顔にはケロイドや酷い傷痕が残ってしまい、それからというもの、姉は学校に行かず、完全に家に引きこもるようになり、その性格はますます暗く歪んでいきました」

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「そしてその頃から、姉は常時「おかめ」の面を被るようになりました。そう、寝る時さえも。

どんどん社会的に孤立していく姉を心配した父は、本殿での行事を執り行う時は出来るだけ、姉にやらせるようになったのです」

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「初めのうちは慣れないこともあり、いろいろと大変だったようなのですが、若いということもあり、姉はあっという間に祈祷の段取りや舞いを覚え、とうとう父の立ち会いも必要としないくらいになりました。

私も、姉がようやく自分の居場所を見つけたことを嬉しく思っておりました。

でも、、、」

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ここで清子は躊躇うようにうつ向く。

毒島がそんな彼女の様子に戸惑っていると、隣に座る源三が初めて口を開いた。

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「これは本当に不思議なことなんじゃがの、あれ(響子)が祈祷を執り行った村人は皆、不幸のドン底に落ちるんじゃ」

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「不幸のドン底?」

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そう言って毒島は源三を見た。

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「ああ、昔、七五三のお祝いじゃあ言うて、村の者がうちの本殿の間で祝いの祈祷をやった時、あれが取り仕切り、舞いを一つ披露したんじゃ。

そしたらの、どうしたわけか、その翌日の朝、そこの夫婦が揃って首吊ったんじゃ」

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「は?」

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毒島は驚きで思わず声を出した。

すると、源三はさらに続ける。

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「こんなもんは序の口じゃあ。

村のお医者さんとこの息子さんが東京の何とか言う有名な大学に合格した言うて、うちで祝いの行事を行った時もそうじゃった。

その息子さん、東京に出発する前日の夜、村外れの渓谷に身を投げて亡くなったんじゃ。

また安産祈願の祈祷を受けた女などは、いざ出産時にはその苦痛に耐えきれず、お腹の子もろとも亡くなってしもうた。

そんなことが何件も続いた。

その全てが響子の仕切った行事の後の出来事じゃった」

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毒島うつ向いたままただじっと、源三の話を聞いていた。

時刻は既に午後6時になろうとしている。

カチカチという柱時計の秒針の音だけが広い畳の間で、やけに響いていた。

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「それでの、とうとうある日の晩のことなんじゃが、村の若い衆数人がうちに押しかけてきての、響子を引き渡せ、と言うんじゃ。

何でじゃ?と聞くと、あれは悪魔の申し子じゃから、わしたちで始末する、というんじゃ」

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「若衆らはわしの必死の制止も聞かず、響子を無理やり外に連れ出すと、そのまま夜の闇に消えてしもうた。

そしてその翌日の夕暮れ時に、村外れの渓谷を流れる川の下流で、響子が冷たくなって浮いているのが見つかったんじゃ、、、うう、、」

そう言うや否や源三は、その場で泣き崩れた。

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「その若者たちは罰せられなかったんですか?」

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毒島が質問すると、清子は顔を曇らせたままゆっくり首を振ると、口を開く。

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「村の駐在所の巡査はこれは単なる飛び降り自殺と決め付け、全く捜査さえも行わなかったんです。

でもあれは明らかに、集団による殺人だったと思います」

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「ううう、、ううう、、すまん、響子、すまん、、、全て、わしじゃあ、わしが悪いんじゃああ、、、ううう、、、ううう、、、」

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源三の泣き叫ぶ様子を横目で見ながら、毒島が口を開く。

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「本当にお姉さんのことはお気の毒でした。

さぞ心痛めたことでしょう。

ただ既にお姉さんはこの世にいないわけで、そうすると、この度のお多福女との関わりは見えてこないと思うのですが」

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毒島が言うと、清子は険しい表情で首を振りながら話しだした。

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「それが姉が亡くなってから数日が過ぎた頃から、村内におかしな噂が聞かれるようになったんです」

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「おかしな噂?」

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「はい。

おかめの面を被る女を見たと言う村人が幾人も現れたのです。

そんな噂がちらほら聞かれだした矢先に、村の若衆の代表が村外れの峡谷を流れる川に死体で浮かんでました。

村人たちは響子の祟りじゃあと言って、恐れおののきました」

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「私は思いました。

姉はまだこの世にとどまっているんだ。

しかも恐ろしい怨霊という姿で、、、

そして最近になり、ニュースで初めて『お多福女』のことを知って、先日テレビの報道番組で毒島様がコメンテーターとして出演されているのを見てから、ご無礼を承知で連絡させてもらったんです」

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「なるほど。

ただ、ここ数年各地で多発している奇妙な自殺と『お多福女』そしてお姉さんの怨霊との間に因果関係があるかどうかは、まだ分からないんじゃないですか?」

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「確かにそうなんですが、私感じるんです。」

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「感じるって、何を?」

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そう言って毒島が怪訝な表情で清子を見た。

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「私と姉は双子です。

恐らくは一人の人間として産まれてくるはずだったのが、たまたま二人で産まれてきたのだと思っています。

ですから感じるんです。死してなおも怨霊と化した姉が抱いている激しい憎悪を。

その邪悪な思いが、多くの幸福な人を死に追いやっているということを」

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「じゃあ、ここ最近の奇妙な自殺のいくつかは、お姉さんの怨霊の仕業と思っているんですね」

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毒島の質問に、清子はゆっくりと頷いた。

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「おっしゃりたい事はよく分かりました。

ただ私の立場からすると、これからもお姉さんによって繰り返されるであろう悲劇を指を咥えて見ているわけにはいけません。

あなたとお姉さんが今も心が通じ合っているというのなら、これからも起こるであろう悲劇を止めさせることは出来ないのですか?」

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毒島の問いかけに清子は渋い顔をしたまま、しばらく俯いていた。

それから何かが吹っ切れたように清々しい顔で毒島を見ると、

「うまくいくかどうか分かりませんが、やってみようと思います」

と言って、立ち上がった。

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清子は毒島を伴い一旦家から外に出ると、併設する社へと歩いて行った。

切り妻屋根の御社殿が、暗闇の中に鎮座している。

清子は拝殿正面で一礼し靴を脱ぐと、賽銭箱の背後にある格子の引き戸をガラリと開ける。

灯りが点されてあからさまになった8帖ほどの板間には正面奥まったところに白木の台が置かれ、その上には大麻、切麻、塩等が整然と配置してある。また向かって右端には、和太鼓があった。

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毒島は、清子に指示され、入口近くにある椅子に腰掛ける。

しばらくすると、清子は白装束に白足袋という正装に着替えてきた。

どうやら何やら儀式を行おうとしているようだ。

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清子はまずは天井の蛍光灯を消すと、代わりに白木の台の上の両端にある二本の大型の蝋燭に火を灯す。

それから和太鼓の傍らまで歩くと、バチでドンドンドンドンと一定の間をおいて叩き始めた。

ピンと張り詰めた雰囲気が部屋内を支配している。

毒島は緊張した面持ちで、ただ目の前で繰り広げられる厳かな儀式を見ていた。

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次に清子は机の上にある大麻を両手に持つと、奥の本殿に向きなおり直立して数回振った後、ゆっくり一礼すると、今度はなにやら呪文のような文句を朗々と唱えながら、ゆったりとした舞を踊り始めた。

蝋燭の火に浮かび上がる光景はまるで能楽の舞のようで、どこか神秘的な印象を醸し出している。

それから10分ほどが過ぎた頃だろうか。

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突然ふっと二本の蝋燭の火が消え、途端に部屋内は漆黒の闇に包まれた。

すると呪文を唱えながら踊る清子の1メートルほど前の中空に忽然と、ドライアイスのような白い煙が現れた。

煙は弱い光を放ちながら、まるで生きているかのようにうねうねと宙を漂いだし、最後には陽炎のような人型を形作った。

そして、いつの間にか顔らしきものまで出来上がっていた。

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毒島はその顔を見た途端、驚きのあまり思わず声を出しそうになった。

下膨れの輪郭にミジンコのような2つの目。

間違いない。あれは「おかめ」の人相だ。

やがて地の底から響いてくるような低い女の声が聞こえてきた。

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「き、、よ、、こ、、、」

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清子は舞を止めると、「おかめ」の顔部分を見ながら、

「姉さん、、、会いたかった」

と嬉しそうに呟いた。

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それからしばらく二人は無言で向き合っていた。

まるで、言葉を介さずに思念だけで語り合っているかのように。

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そしてどれくらいの時間が経っただろうか。

人型が少しずつ青白い光を放ち始めた。

その光はどんどん強くなり、まずは清子を、最後は部屋全体を包み込むほどになった。

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その様を凝視していた毒島は突然に眩暈を感じて椅子から崩れ落ち、そのまま意識は微睡みの沼に沈んでいった。

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……

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………

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…………

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毒島が気が付いた時、拝殿の板間には既に朝の陽光が差し込んでいた。

彼は立ち上がり、辺りを探したが清子の姿を見つけることは出来なかった。

それから地元の警察により失踪した清子の捜索が行われたが、一月経ち二月経っても見つかることはなかったという。

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それからあっという間に半年が過ぎた、、、

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不思議なことに、嘗てのような奇妙な自殺者が現れることはなくなったということだ。

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Fin

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Presented by Nekojiro

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