初めて投稿させて頂きます。先日自分的にはかなり怖い体験をしたもので……
N県への出張の帰り、高速代をケチって、ある峠道を車で走っていたときの話。
夜遅いこともあり、すれ違う車もまったくなかったため、不安感を持ったままハンドルを握っていました。
そんなこともあってか、峠に入ってからは気分はもちろん、車自体も重苦しく感じられました。
すると、峠の中でも比較的長い直線道路で、路肩に何か光るものが2つ並んで見えたんです。
いかんせんビビりなもんで、急ブレーキを踏んでスピードを緩めると、案の定路肩に犬がいたんです。
おそらく野犬でしょうか。
こんな夜中に気持ち悪いとは思いつつも、轢いたらいけないと思い、そのまま徐行で横を通過しました。
そのとき、気のせいかもしれませんが、すれ違い様に犬と目が合ったんです。
私は犬好きなんですが、そのときの犬の目は私が知っているそれとはまったくの別物で、なんというか「念」がこもっているように感じられました。
もしかしたら「敵意」ととってもいいものだったかもしれません。
背筋に冷たいものを感じながらも、「早く行こう」と思った矢先、またいるんです。
今度は2匹。
すれ違う前から、路肩から「念」を向けられているのを感じました。
咄嗟にバックミラーで先程すれ違った野犬を見てみると、さっきまで路肩にいたはずが、道路の真ん中まで出てきていて、こちらを見ていました。
全身の毛穴がぶわっと開いた気がしました。
「これはまずい」と。
一刻も早くここから退散しようとアクセルを踏み込み、あとに現れた2匹ともすれ違い、スピードをあげようとしました。
でもやっぱり気になってミラーを覗きこんでしまったんです。
すると、今度は今まですれ違った3匹が車を追いかけて来たんです。
しかも尋常じゃない形相で…………
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
年甲斐もなく叫んじゃいましたね、一人で。
だって普通、野犬って車に近づこうとしないじゃないですか。
それが、あろうことか走ってる車を追いかけるだなんて…しかも様子が明らかにおかしい…
もう完全パニック状態。一心不乱にアクセルをベタ踏みし、直線を進んでいきました。
途中、同じように路肩の野犬と何匹かすれ違いましたが、その度にその犬が追いかけてくる群れに加わるのがサイドミラー越しに見えました。
………2つ程カーブを抜けたあたりでしょうか、野犬の群れは見えなくなり、それ以降は犬とすれ違うこともありませんでした。
重苦しい雰囲気が緩和されてきたとは言え、心臓は高鳴りっぱなしで、その後の帰路は何度も事故りそうになりながら猛スピードで帰ったこと以外覚えていません。
一体、あの野犬の群れは何故追いかけてきたのでしょうか………………
………翌日、同僚にこんなことを言われて、その謎もなんとなくわかりました。
「お前の車の運転席と助手席のドアの雨避け見てみろよ。
なんであんな所に手形なんか付いてんだ?しかも上から握った方向で。」
怖い話投稿:ホラーテラー ぱねさん
作者怖話