短編2
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黒の呪縛──早死にの怪

 昔々、信濃の国に、今で言えば中学生くらいの年齢の、若い殿様がいました。

 先代の殿様の早死にが原因だったので、家臣達は、一層、殿様の健康を気遣うようになりました。

 その方が体に良いということで、殿様の食事には色の黒いものばかりが並べられるように。

 殿様は、背の黒いドジョウや、黒豆や黒ゴマを、文句も言わずに食べ続けました。誰だって長生きをしたいのです。

 話は変わりますが、殿様には奥方がいます。ですが、まだ八つ。

 家臣達は側室を用意することを決めました。大名には跡継ぎがいないと困るのです。

 二人の候補が立てられました。この内の一人が側室として殿様に仕えます。

 一人目は殿様と同い年の美しい女性。国家老の娘で、家柄にも文句はありません。

 もう一人は殿様より十ほど年長でした。後家ですが、国家老の娘に負けないくらいに美しく、しかも教養がありました。

 どちらに致しますか? そう尋ねられた殿様は、二人の腰巻をヒラと持ち上げて、しばらく見比べた後、

「こっちを頼む」

 後家の方を選びました。

 はい。黒の方が体に良いという、お話でした。

◆◆◆

続き。

腰元よ。お前はまだ桃色じゃ。

余は黒しか相手にせん。

それで、こんなに長生きを……?

余はもう二百を越えた……。

じゃが、あれは何だったか……?

あの南蛮の男に噛まれたあたりから、余は歳を取らんように……。

昼は外に出れんし……。

まあよい。

腰元よ。少しお前の首筋を舐めさせよ。

って、違う物語になっとるやないかーい!

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@いも 様
笑笑笑
恥じることなく 今までもそうであったように、これからも 大切にお健やかに曝け出してくださいね。
今週は、少し忙しくなりますが、私も、怪談の繁忙期前に ダサい駄作で恥を曝け出します。

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天虚空蔵さん。
読んで下さって、蟻地獄。

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あんみつ姫さん。
僕は❍部を、さらけ出したい!
どこに出しても恥ずかしくない恥ずかしい部分です。

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ainoさん。
奥が深い。
シェイクスピアに言わせたら、
正しいのか正しくないのか。それがモンダミン。

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@いも さん
いもさんの作品奥が深くて好きです✨

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りこさん、ainoさん。
読んで下さって、ありばい崩し。

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お久ー!
以後、わたしの作品を、『桃色ホラー』と名付ける。
です。

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