18時過ぎ
準備の為、歓楽街の雑居ビル三階にある店(キャバクラ)の鍵を開ける
他の従業員はスカウトのため外に出てる
女の子は19時〜に来る
開店は20時
ドアを開け電気を着ける
カウンターの上に座っている奴
カーキの上下
腕には日の丸の腕章
耳付きのヘルメットにはゴーグルが付いている
映画で見たコトがある
神風特攻隊だ
バチッと目が合った
金縛りとかじゃなく
蛇に睨まれた蛙
血走った眼を見開いて俺を見てる。本当の鬼の形相だ
店は無音
見つめ合う二人
変化があった
顔が少しづつ膨らんできてる。顔全体が少しづつ膨らんできてる。
目が合ってからどの位だ?
10分くらいか?
数十秒か?
大人が横に両手を伸ばした位まで膨れあがった
カウンター後ろのボトル棚が隠れている
表情はまだ怒りに満ちている
爆発する!
本気で思った
走って逃げた
鍵を閉めるコトも忘れ
レジ金も置いたまま
エレベーターも使わず階段で全速力で外に逃げた
爆発に巻き込まれないよう走り続けた
パニック状態で携帯で誰かに連絡するコトさえ考えなかった
店に戻ったのは二時間後くらい
鍵は開けっぱ
金は置きっぱ
準備もしてない
もちろん問題になった
誰に言っても信じてもらえないが三年経った今でもあの血走った眼を鮮明に覚えてる
怖い話投稿:ホラーテラー 悪魔とダンスさん
作者怖話