母の声が聞こえてきました…
「あんたさぁ~うちの娘の足に乗ってどういうつもり」
「うちの娘になんかしたら許さないよ」
息を殺すように…
けれど喧嘩ごしで…話す母…
ん
母さん誰と話してるの
確かめたくて目を開こうとしましたがなかなか開かず
やっとの思いで目が開きました。
私が目を開けようと格闘している間も母はコソコソ…しかし喧嘩ごしで誰かと話をしていました
「うちの娘になんの恨みがあんのよ」
「……………」
「うんうん」
「……………」
「うん、それで」
「…………………………」
「あぁそう」
「でもさぁ~そんなウジウジした考えだから成仏できないんじゃないの」
と…
人生相談のような会話でした
実際私には母の声しか聞こえませんでした。
やっとの思いで目を開けて…
目玉を右横の母の方へ向けました
母は、私の右隣に敷いた布団の上に座っているようで…
顔は私の足下へ向かっていました。
さらに目玉を動かし自分の足下を見てみると…
うつむいた女性がいました
寂しそうな顔でした。
母は更に話しを続け…
「うちの娘は今、妊娠中なのよ」
「怖がらせると体に悪いからさぁ~」
「娘が寝てる間に悪いけど消えてちょうだい」と言っていました。
母は私が起きてるのに気付かなかったみたいでした
しばらくすると…
その女性も納得したのか…
次に足下に目をやった時には消えていました。
ふっと、足が軽くなり、「母さん」と、声を出すこともできるようになりました。
「あぁ起こしちゃった」
「うん」
「ずっと見てた…」
「そう…でももう心配いらないから寝なさい」
「母さんずっと起きててやるから」
その言葉を聞いて安心して眠りに着きました。
朝目覚めると…
母さんはグッスリ眠っていました
え
ずっと起きてるって言ったよね
まっいいか(笑)
後になって母にあの女性の話を聞きました。
「昨日の女性…何か恨みを持って成仏できないの」と聞くと…
「うんそうみたい」
「裏切られて辛い思いをしたみたい」
「どんな」と聞くと…
「そこまではプライベートな話だから言えない」と言っていました
「可哀想だから」と言っていました。
母は厳しくて…
怖くて…
強すぎるけど…
良い人です
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話