友達から聞いた話です。
地上8階建ての団地の話です。
その団地に住んでいる小学校低学年生ぐらいの子供たちが7.8人位で団地の中で鬼ごっこをしていたそうです。
いつものように子供たちが集まって団地の中にある公園で鬼ごっこをしていたのですが、子供の一人が「建物の中で鬼ごっこやろう」といったそうです。
他の子供たちも「面白そう、やろう、やろう!」
ということで建物内で鬼ごっこが始まったそうです。
いつもは広い公園でやっている鬼ごっこですが狭い建物内でやるとスリルがあるのか段々、子供たちも興奮してきたそうです。
ルールとして建物から外に出ると負けになるので逃げる場所は上か下になります。
思い思いに逃げていきますが、子供たちの中のA君は特に高いところが好きなので必ず八階に逃げていたそうです。
その日も八階に逃げたA君ですが、鬼に捕まりそうになったとき。
捕まるのが嫌なA君は八階にも関わらず手すりの上に乗って逃げ出しました。
その時、いきなりドアが開き「うるさい!!走り回るな!!」と団地の住人が子供たちを怒鳴りつけたそうです。
その声に驚いたA君は足を滑らし、八階から落ちてしまったそうです。
鬼ごっこをしている子供たちの目の前でA君は亡くなりました。
A君のお母さんは気が狂ったかの様に子供たちに対して罵詈雑言を浴びせ続けたそうです。
当然、A君の家族はこの団地には居られずどこかに引っ越していたそうです。
それ以降その団地内での鬼ごっこは禁止になりました。
ちょうど事故から一年がたったある日、鬼ごっこしていた子供たちが「鬼ごっこができないならかくれんぼしよう」と団地内でかくれんぼをやり始めました。
鬼になった子以外はそれぞれの場所に隠れ、次々と子供を見つけるのですが、一人だけ見つかりませんでした。
たぶん、お家に帰ったんだろう、と思い残った子供たちでまたかくれんぼを続けたそうです。
鬼以外はまた隠れて鬼が子供を見つけるのですが、また一人だけ見つかりません。かくれんぼをやればやるほど子供が少なくなり、最後には一人ぼっちになってしまったそうです。
「みんな帰ったのかな~
僕も帰ろっと」
と最後の一人も自分の家の階に着き廊下を歩いていると廊下に、女の人が立っていました。
近づいて顔を見てみると去年亡くなったA君のお母さんだったそうです。
怖いほどに歪んだ笑顔でその子にこう言ったそうです。
「私が鬼になるから早く隠れなさい。他の子たちみたいに私に見つからないようにね」
怖い話投稿:ホラーテラー タツさん
作者怖話