短編2
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国道沿いで

あまり怖くないかも知れませんが、これは私が実際に経験した話です。

もともと私は霊感をほとんど持っていませんし、幽霊なんて信じたことはありません。

その日は平日の午後、夜勤の仕事で通勤途中でした。

会社へは、いつも県道沿いにある駐車場に車を止め、そこから歩いて国道を渡って行きます。

いつも通る道は、県道と国道が交差してる交差点のすぐ横に、細い道路と国道が交差してる交差点があり、私はいつもその小さい交差点のほうを好んで通っています。

いつものように交差点までたどり着くと、国道なので結構待ち時間が長く、青になるまでぼーっとしていたんです。

まだ7月半ばということもあり、日もそんなに沈まず7時にしてはまだ明るい頃でした。

ふと、左前方で中学生っぽい子が横断歩道の前で座っているのが見えたんです。

信号待ちしてるのかな?とも思ったけど、国道に沿った歩道は青信号だし、少年がいる場所からはこちら側には歩道はかかってない。

誰かを待つにしても不自然な場所。

まぁ何を待っていても関係ないやと、私はそのまま前を向いて信号待ちをしていました。

そして青になり、少年が視界に何となく見える感じで渡って行きました。

(ちょっと気になってたのでなんとなく見えるように)

歩道を渡り終え、視界から少年が消えた辺りで、また気になったのでさっと振り返ってみたんです。

そしたら、・・・そこには誰もいませんでした。

隠れる場所もないし、もし少年が移動していたとしても、すぐに振り向いたので絶対に見えるはずなんです。

でも、どこにも姿はありませんでした・・・

偶然かもしれないですが、その日に限って仕事がかなり忙しくなりました。

国道付近ということもあり、車も多いし人も結構通ります。

幽霊って、人気は関係なく出るものなのでしょうか。

その後もあの交差点を通っていますが、それ以来少年の姿は見てはいません。

道をよく知る友人に聞いても、あの交差点周辺で事故が起きたという話はないそうです。

結局あれは一体何だったのでしょうか・・・。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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