これは、本当にあった話です。怖かった…
私の、おばあちゃんの家は、築八十年という古い家です。
おばあちゃんの家のお風呂は、家から少し離れた所にあって、昔ながらの″ゴエモン風呂″でした。
私は、小さな時、このお風呂が大好きで、いつもおばあちゃんの家に行くのがとても楽しみでした。
私が、小学五年生の夏休み、家族でおばあちゃんの家へ行きました。
お墓参りや、畑の手伝いなどを終え、やっと私の大好きなお風呂の時間になりました。
離れのお風呂に、一人で入るの訳ですが、皆さんはご存じないかもしれませんが、この″ゴエモン風呂″に入るのは意外と難しいのです。
踏み板の上にちゃんと乗らないと、とても熱い思いをしてしまうという厄介な物なのです。
私は、踏み板の位置を確認しようと、湯船を覗きこみました。
その時…
(ポタン…)
湯船の中に、血が落ちてきたのです。踏み板に落ちてきた血が滲んでいます…
私はすぐに上を見ました。
しかし上には誰もいません…
もう一度、湯船を覗きこむと、
(ポタン、ポタン…)
また血が…
私は恐ろしくて、もう上を見る事ができませんでした。
裸のまま、悲鳴をあげおばあちゃん達のいる居間まで走って行きました。
で…でたああああ…
私の悲鳴を聞きつけ、居間から、両親とおばあちゃん、おじいちゃんまで出てきました。
「どうした!」
私の姿を見て、みんな言葉を失いました…
「血が…お風呂の上から…血が落ちてくるの…」
私は泣きながら訴えました。
おばあちゃんが、口を震わせながら、言いました。
「あんた…鼻血…鼻から血がいっぱいでとるよ…」
ゴエモン風呂に、興奮し過ぎた、子供の頃の思い出です…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話