ハッとして起きると、もう朝だった…
僕はYを揺り起こした。
「おい起きろ!朝だぞ!」
Yは飛び起きてきた。
「エリは?エリはきたのか?」
僕は答える
「いや分からない…」
と、次の瞬間二人同時に声を合わせて言った。
「ビデオだ…!」
僕とYは転げるようにして、セットしたビデオを取り上げ、テレビの画面に映るように接続した。
テレビの画面に玄関と廊下、部屋の一部が映る…
僕ら、息を飲んでテレビの画面を見ていた。
テレビの画面の上に、ビデオカメラの時刻が表示されている。
丁度僕らが寝たころ…時刻は深夜2時34分と表示されていた。
ビデオの前を、スーと白い者が通り過ぎた…
そして、いつの間にあらわれたのか
玄関に一人の女が立っていた…
その女は、白いワンピースを着て、長い髪を垂らしている…
うつむいているので、顔は、髪に隠れてはっきり見えない…
僕は悲鳴を上げそうになった。が…隣のYは食い入るように画面を見つめてる…
僕は、口を必死で押さえた。
女は、しばらく玄関に立ったままだ
(ずっと玄関に居てくれ)
そんな僕の願いを打ち消すように、女は動き始めた…
ゆっくり、ゆっくり、ビデオの方へ近づいてくる…
女の顔がビデオの前まできた、テレビの画面いっぱいに女の髪が映っていた…
そして次の瞬間、女は髪をバアッとかきあげた…
女の素顔がテレビの画面いっぱいに映った…
その顔を見た瞬間、俺もYも恐怖の悲鳴をあげた!
「うわああああああああああ!」
僕は、言葉が出なかった…
これは何?Yが仕掛けたドッキリなの?
現実が理解出来なかった…
Yも震えている。
震えながら、部屋を探し回っている…
そして、クローゼットの中の衣装ケースの裏から箱を見つけ出した。
箱の中からは、携帯、白いワンピース、髪の長いカツラ、下着セットもでてきた…
Yは、震える声で叫んだ…
「俺が…俺がエリだったのかああああ!」
そして、そのまま意識を失った…
Yは今、精神病院に入院している。
自殺の危険があるらしいとのことだ。
僕はYの…親友の回復を心から祈っている。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話