中編3
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修道イン7

俺は必死に祈り続けた、目を開けることは恐ろしくでできないが仲間達も必死に祈っているに違いない

「やめてくれー」

右端に座っている後輩が突然叫んだ!

思わず右側を見てしまう

奴だ!後ろ側から後輩の両肩に手をまわして耳元で何か呟いている

(負けるー相手にするなー)

心の中で叫び、友人の手を強く握り締めた、そくざに友人が握り返してくる

もう後輩は叫ばない?俺の強く握った手は友人、横にいる後輩、右端の後輩へと伝わったと確信した

神父さん達のお祈りの様な呪文の様な言葉は淡々と続いている

四方に立っているせいか言葉が俺達を包み込む光のオーラのようだ、奴が横にいても息もできないような昨夜ほどの恐怖は全くない

俺はできるだけ心を落ち着かせようと努力していた

すると身体の感覚が変わっくるのがわかる

(めちゃくちゃ寒いな〜)

ん???

みんな何処に行った?!

ここは何処だ?

あれ?雪降ってるじゃん

目の前には修道院がある

「大丈夫ですか?」

「大丈夫ですか?」

俺をシスター達が囲んで心配そうに声をかけている

(大丈夫です)

声を出そうするがでない

体も動かない

「助けて…助けて…」

俺から声がする?

意識ははっきりとしているが自由が全くきかない

「大丈夫ですよ安心して」(ん?)

「助けて…」

この声は!

奴だ?俺の口から奴の声?いや、違う

俺が奴の中にいる!

(夢か?気絶でもしてしまった?)

何度も動こうするが金縛りの様に力が入らないが感覚ははっきりとしている

これは?奴と俺がチャネリングしてしまったのか…

俺(奴)はシスター達に支えられ修道院の隅にある小屋の様な所に連れられてきた。

「さぁそこに横になって下さい」

「助けて…」

また奴が喋っている

(助けてしか言えないのか?)

「もうすぐ救急車もきますからね」

救急車?どこかで聞いたような?あっ、これはさっき神父さんが話してくれたクリスマスの惨劇の現場!!なんで30年近く前の現場に俺がいるんだ?

それも奴と一緒に…

突然一人のシスターに奴が殴りかかった、馬乗りになりボコボコにしている

「キャー」もう一人のシスターは叫んで腰が抜けたように座り込んしまった

俺には何もできない…

奴は座り込んだシスターにゆっくり近づくといきなり顔を殴りつけ、また馬乗りになりボコボコにしたあと……

なんて男だ、苛立ちと怒りが溢れでてくる

ドアが開きシスターと救急隊員が入ってきた

ということは?!

奴はボソッと

「サーイレンナイト」

「ホーリーナイト」

上着のポケットからナイフを出し首を切り付けた

凄い勢いで出血する

俺の意識も薄れていく…

気づくと俺は修道院の建物のなかにいた

壊れるまえはこんな感じだったんだ

歩いてる?まだ奴の中か?前からシスター達が歩いてくる

おや?反応がまったくない?こちらが見えてないのか?

いつまで奴と一緒なんだろう、このまま一生?

たしか奴は自殺したはずだがなんで歩き回っているんだ?誰も気付く様子もないし…

奴は死んだはずだ、なのに今も俺と一緒に歩き回っている…まさか俺も一緒に幽霊に!

そんなわけない!さっきまで教会で神父さんと仲間と一緒だった

それから何日間たったのだろう?奴の中に入ってから随分時間が経った気がする。

奴は夜な夜なシスター達を襲い楽しんでいるかのように思える

(こいつドSだな)

いつになったら、こいつから離れられるのか?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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