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短編2
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自動販売機

昔読んだ本で印象に残った話です。

小学生のA君はお父さんが久しぶりに休みが取れたので家族揃って車で日帰り旅行にいくことになりました。

久々の家族行動もあってかA君はかなりはしゃいでいて、飲み物をよく飲んでトイレも近くなっていました。

そして高速道路にのったときもトイレに行きたくなり休憩を兼ねて、お父さんにあるサービスエリアによってもらいました。

用を足すとそのままA君はお父さんにジュースを買って欲しいとねだってジュースを買うためのお金をもらいました。

駆け足で自動販売機コーナーにいき何を買うか選んでいると、一番端の所に一つだけ他のモノより小さい、A君と同じぐらいの大きさの自販機が置いてあったのです。

A君は長い間ジュースを選んでいたので7〜8人が飲み物を買っていくのを見たのですが、誰もその自販機では買おうとしません、というより誰もそれに気付いていないかの様に見ることさえしないのです。

違和感と共に好奇心が湧いたA君はその自販機で買うことに決めました。

しかし改めてその自販機を見ると、もっとおかしなことに気づきました。

ボタンが無いのです。

小銭を入れる口と取り出し口があるだけで、見本も、ボタンもなくのっぺりとした赤い面が見えるだけだったのです。

余計に好奇心をそそられたA君はすぐに小銭を入れました。

ガコッ

出てきた缶を手に取り見ると、缶も自販機と同じく、一面真っ赤なラベルが巻いてありました。

コーラやトマトジュースの新製品なのかな?と期待を膨らませたA君はその場で缶を開け、口をつけると

ビシャッ!

次の瞬間、A君は吐き出して缶を取り落としてしまいました。

なぜならそれはコーラやトマトジュースではなく、血の味がしたのです。

そのあとすぐに、遅いA君を心配してお父さんが来てその異変に気づきました。

そして、その缶のことをサービスエリアの店員に言っても置いた覚えがないということと、缶からこぼれた液体が固まりはじめていたことからやはり血液なのではないか、と警察を呼んだのです。

A君一家は旅行を楽しむ気分ではないと、帰路につきました。

その後、警察の調べでやはりあの缶の液体は血液であることがわかり、なにか事件性を見て、その自販機を解体しました。

すると中には十年前にそのサービスエリアで誘拐された男の子の白骨化した遺体が入っていたそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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