3年程前の話。
私の家から駅までは、自転車で30分かかります。
いつものように仕事を終え、駅に着いた時には22時を過ぎていました。
自転車に乗って帰宅する途中の事でした。
少し先で、白い高そうな外車が端に寄せて止めてあり、ライトも点けたままで、車の持ち主と思われる男性は、何やら大声で怒鳴っていたのです。
その横を見ると、小学生の男の子が(ランドセルを背負っていたので)、
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
と泣いていたのです。その車の持ち主は、子供が車に当たったと言って怒っていたのです。
しかし私には助ける勇気がなく、出て行ったところで、(お前が責任取るのか?)とか言われそうな気がしました。女なので、力では絶対勝てるはずもないですし、人の通りが極めて少ない時間帯でもあり、私は助ける事を諦めました。
その場を後にしようと、通り過ぎる時に、男の子の悲しい視線が感じ、罪悪感でいっぱいになりました。
と、その時・・・前からサラリーマン風の30代位の男性が歩いてきました。私は、(ああ、この人が男の子を助けてくれる。良かった。私なんかより、ずっと頼もしい!)そう思ったのです。
そして、その男性とすれ違った時、私は今までに一度も味わったことの無い恐怖を体験しました。
すれ違った瞬間、耳の横ぐらい近い場所で、その男性は・・・
「僕・・・もう・・・死んでるから」
と言ったんです。背中がゾワっとしました。そして後ろを振り返ってしまい、また恐怖しました。
男性が・・・いない。
この体験の後、二度と同じ道を使っていません。
こんな怖い思いは、これで最後にしてほしいと思った本当の話です。
誤字、脱字、文章下手はご了承願います。
この話以外にも、いくつかありますが、みなさんのコメントを拝見の上、投稿させていただきます。
お読みいただき感謝します。
怖い話投稿:ホラーテラー ニモさん
作者怖話