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短編2
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マントのおじさん

私は小さい頃、とある夢を度々みていました。中学生くらいになってから見る頻度は減り、今ではまったく見ないのですが。

その夢には必ず、マントを着て帽子を被った黒い男性が出てきます。ただし一度もその人の顔を見たこともなければ、声を聞いたこともありません。夢のシチュエーションは様々で、友達と遊んでいて振り返ると急に始まったり。また、以前住んでいた自宅の一室に私がいるシチュエーションから始まったり。

全て突然で、なんの前触れもなく始まるのですが、全てに共通していることもありました。

それはいずれも夕暮れであること、カナカナカナ…という虫の音が聞こえてから始まること、そして何より、夢の中の私は『またあの夢だ』と気付いていながらも覚めない、ということです。

夢の中の私は、いつも怖がり焦っていました。カツーン、カツーン、とゆっくり彼が近づき、私は彼を見ないようにしながら隠れるのですが、彼が全身黒づくめであることはわかります。そしていつもドアをきぃー…と開けて『見つかる!』という所で目が覚めていました。

そんな夢もいつしか見なくなり、記憶から薄れていったのですが、思いがけぬきっかけで私は彼を知ることとなったんです。

私は一昨年結婚したのですが、旦那は『その勘』を研ぎ澄ますと、なにかが伝わったり見えたりする感じやすい体質でした。その旦那とテレビ番組を見ていた時、夢の特集をやっていて、久しく思い出した私は昔の夢のことを事細かに旦那に伝えたんです。

すると、はじめは半分飽きている感じで聞いていた旦那が、次第に私に向き直って「どんな人」「どんな雰囲気」と追及してきました。なんだろう、と思いつつもひと通り話してから聞いてみたところ、

『あー…それ、お前の後ろにいるもん』

と言われたんです。

心臓を鷲掴みにされたような衝撃で、本当に怖かった。旦那曰く「守護霊ではない、でも悪いものじゃない、見守ってる」そうですが…普段そういうものに慣れていない私はひどく居心地悪く、数日すっきりしない日々が続き…旦那に「軽はずみなこと言うな」ととても怒りました。

で、別にオチもなく霊障もなく今に至る話なんですが…すみません。

ただやっぱり何度もみる夢というのは、霊感の有無に関わりなくなにかがあるのかなと思ってしまう…そんな体験でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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