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短編2
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車のミラー

私はマンションに住んでいます。

ある日、車で遊びに出かけ、帰りが遅くなってしまった時のこと

マンションの駐車場に車をとめようと、

サイドミラー、ルームミラーを確認しながら慎重にバックしていた時、

ふとサイドミラーに何かが映りこみました。

目を凝らしてよく見ると

毬(マリ)を脇に抱えた着物姿の少女がアスファルトの上で何かを掻き分けるように探し物をしていました。

私はその状況を一瞬にして理解しました。

・・・幽霊だ。

はっきりと映っていたので見るに絶えず、一度視線をそらしましたが、

すぐにルームミラーを確認したとたん、

トコトコトコトコトコ…

その少女の姿は右から左に横切りました。

その瞬間、恐ろしいほど助手席の外から強い視線を感じたのです。

全身に溢れるほど鳥肌が広がり、

私は横を向くことができませんでした。

うつむいて目をつぶり、

ただただ震えているだけ。

そうしていると、助手席側のドアが勝手に3センチほど開き

毬(マリ)をつく音が聞こえてきたのです。

恐怖は極限状態です。

そしてなぜかいきなりカーナビの音。

「パン…目的地、周辺です。」

もちろん自宅を目的地に設定しているわけでもなく、

そのときカーナビは使っていません。

停車していて数分後にいきなりなることもありません。

私は思わず声を出してしまいました。

視線の横に入ってくる少女の姿は

着物姿で異様に髪の毛が長く、ボサボサ。

顔は髪の毛で隠れて見えません。

もう何がなんだかわからず

再度目をつぶり、震えていると

出かけようとしている住人が外に出てきて

その瞬間、気配は一切なくなったのです。

私は急いで車を駐車し、家に帰りました。

私の住んでいる土地は

昔、死刑場だった山を崩し、

デコボコだった周囲の土地を、その山の土で平地にしたという歴史があるそうです。

しかし、なぜ少女だったのでしょうか。

もし運良くマンションの住人が来てくれなかったら…どうなっていたのでしょう。

怖い話投稿:ホラーテラー イコピコさん  

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