「ただいま」
そう声がしたので玄関へいってみると誰もいなかった。
隣りの家だろうと思いリビングへ戻ってみると女の子が座っていた。
誰なのかはわからない。
でも悪い子ではなさそう。
家出をしてきたとしか答えてくれないこの子の名前は「佐伯晴香」
そう、私と同じ名前。
私はこの子を「ハル」と呼び、ハルは私を「ハル姉」と呼ぶ。
今も一緒に暮らしている。
ハルはとても昔の私に似ている女の子。
今日もまた「ただいま」と言って入ってくる。
私は一度も「おかえり」とは言ったことがない。
ハルは私の子ではない。
『晴香はるかハル』より
怖い話投稿:ホラーテラー はるかさん
作者怖話