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短編2
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心配性

友達から聞いた話。

友達の友達にAっていう¨心配性¨の友達がいる。Aの心配性は半端じゃなく酷いらしい。

例えばタバコの火を消す確認は一回消してから後三回は確認する。

電車に乗る時に切符を買って財布に入れても、電車の中で三回確認。

コンビニで買い物してお釣りがお札なんかの場合は五回も財布をチェックするらしい。

だから基本的に普通の人より“遅い”らしい。

ある日Aは出掛ける用事があり一人暮らしのアパートを出た。階段を下りて、フッと心配になった。

鍵をかけたか気になった。

小走りに階段を上がるとしっかりとかかっていた。また階段を小走りに下りる。

少し歩いたとこでガスの元栓を閉めたか心配になった。

また戻る。家の鍵をあけ、ガスの元栓が閉まっているのを確認すると安心してアパートを出た。

約束の時間が迫る中、Aは急いだ。

アパートの階段を駆け下りる。駅まで走る。

アパートから200M位離れたとこで突然思い出し心配になった。

携帯の充電器のコンセントを抜いてくるのを忘れたかもと、心配した。

今駅まで走れば約束の時間に間に合うが、やはり気になった事は譲れず急いできた道を戻った。

鍵を開けようとし、ノブに手をかけると………開いていた。

あれ???

とりあえず部屋に入った。さっき閉めたよな………

そうなるとさっきしたことが心配になりガスの元栓を見ると……開いていた。

んっ???

この10分の間にした確認作業が全部崩壊したのだ。

少し呆然としているとコンセントを思い出し、トイレの横を見てみるとやはりささっていた。

コンセントを抜きAはリビングを通り過ぎようとすると女がいた。

Aは女を見てホッとし、安心した。

「お前がいれば安心して出掛けられるわ」

そう言って出掛けた。

俺はこの話を聞いて同棲してたんだと聞くと友達が首を横に振った。

「違うんだよ。Aは彼女もいないし、結婚もしてない。女はこの世の人間じゃなくて、A曰く『アイツと一年近く住んでるけど、何かと助けてもらってるんだよな~』だって。自分の心配性を認めた上で女がアパートにいてくれれば心配せずに安心できるんだって。」

つまり確認作業も近くに誰かいればしなくて済むし、万が一何か起きた時は責任の所在は“そいつ”の責任という考えらしい…

幽霊に責任をおしつけるとは恐ろしい話だ

怖い話投稿:ホラーテラー 万年みひろ命さん  

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