乱暴者で厄介者の桃太郎が、鬼を退治しに行くと言うので、おばあさんは喜んで、桃太郎にキビ団子を持たせました。
桃太郎の悪行にほとほと困り果てていた村の人達は、桃太郎を盛大に送り出しました。
桃太郎が出発した後、おじいさんやおばあさんをはじめとする村の人達は口々に言いました。
「桃太郎、鬼に殺されてしまえばいいのに」
桃太郎は鬼ヶ島に行く途中で、犬・猿・雉を力ずくで拉致し、無理矢理奴隷にしました。勿論キビ団子などあげません。
そして桃太郎は鬼ヶ島に行く途中立ち寄る村々を襲い、壊滅させました。
鬼ヶ島に着いた桃太郎は、早速襲撃を開始しました。
もとより、何千年も平和にひっそりと暮らして来た鬼達です。武器など一つもありません。鬼達は瞬く間に虐殺されてしまいました。
桃太郎は鬼達の全財産を奪い盗ると、意気揚々と村に帰りました。
桃太郎は奪い盗った財宝で贅沢三昧の毎日を送りましたが、おじいさんおばあさんにはなんにもあげませんでした。
それどころか、犬・猿・雉同様に奴隷としてこき使いました。
一方、犬・猿・雉達は毎日鬼を虐殺した罪の意識に責めさいなまれていました。
鬼の虐殺は桃太郎唯ひとりで行い、彼らは誰一人として鬼を殺してはいませんでしたが、片棒を担いだには違いありません。
彼等はとうとう耐え切れなくなりました。
ある日の夜、桃太郎の酒に眠り薬を入れると、桃太郎を縄でぐるぐる巻きにすると、地獄の閻魔様に突き出しました。
桃太郎には永遠の懲役と永遠の死刑が言い渡されました。
桃太郎は一年に一回、じっくりと時間をかれてなぶり殺しにされますが、地獄の秘法でたちどころに生き返ります。
次の死刑までは地獄の鬼達に毎日毎日虐めぬかれます。
桃太郎は地獄で永遠に苦しみ続けました。
めでたしめでたし。
僕は桃太郎の話が大嫌いなひねくれたガキでした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話