今回は、数少ない実体験を書いてみようと思います。
リアルな話しはあまり面白くないかもしれませんが、読んでもらえたら嬉しいです。
私が小学3年生の時の事です。
おばあちゃんの家に遊びに行った夜、遅くなったし その日は泊まっていこうという事になりました。
布団をひくのも面倒だし、おばあちゃんの家のこたつは広いので そのままそこで寝る事にしたんです。
長方形のこたつで、広い方の左側がおばあちゃん。
そこから時計回りに、母、父、私という順番で座っていました。
大人達はお酒を飲んで 話し込んでいて、つまらなくなった私は いつの間にか眠ってしまったようでした。
ふと目を覚ますと、部屋は豆電球だけで薄暗くなっていて、消し忘れたのか テレビだけがついていて
『なんか体が痛いな…』
と、普段こたつで寝る事がない私は一度目が覚めたら なかなか寝付けず、つけっぱなしのテレビを 横になったまま、ぼーっと見ていました。
すると、おばあちゃんがゴソゴソと起きだし、テレビをリモコンで消してしまったのです。
『あたしが見てたのに、気づかなかったんだな』
そう思った私は、もう少し見たい!と言おうとして 口をつぐみました。
黒くなったテレビの画面に映ったおばあちゃんが、変な行動をしていた事に気づいたから………。
おばあちゃんの両手が、なんか忙しく わきわきと動いていて、その速さが尋常じゃなく
『おばあちゃん、何してんの!?』
と 驚いた私が、画面に映ったおばあちゃんの顔を見て…息が止まりそうになりました。
目が…おばあちゃんの目じゃない……。
姿形はおばあちゃんなのに、目だけがまるで猫のように 黒目が縦に細いのです。
猫…と言うよりは、もっと冷たさを感じるような…爬虫類、その中でも蛇に近い感じがしました。
それを見た途端に、あまりの怖さに私の体は硬直し 目だけは おばあちゃんから離せずにいました。
動いたら見つかる……!
呼吸さえ 極端に少なくなったように感じました。
その蛇のような目は、キョロ………キョロ………と左右にゆっくりと動き出し、次第に早くなってきて キョロ……キョロ……キョロ…キョロ…キョロキョロ…キョロキョロキョロキョロキョロキョロ!!
と、絶対に人間には出来ない動きをし始めました。
頭は微動だにしていないのに、目玉だけが 凄い速さで動いている…!
その間も、両手はわきわきと動き続けていました。
恐怖で泣きそうになっていると、目の動きは少しずつゆっくりになっていき そのうちゴソゴソと、おばあちゃんは横になりました。
怖かったけれど、すぐに動くと またおばあちゃんが起き上がるような気がして、イビキが聞こえるまで待ってから 少しずつ動いて 父の所まで行き、朝になるまで父にしがみついてました。
翌日のおばあちゃんはいつも通り優しく、何も変わったところはありませんでした。
夢を見たんだと言われそうで、親にも言いませんでしたが……。
おばあちゃんが亡くなった今、今更聞く事も出来ず あれは何だったのかと、今だに思う 私なのです………。
怖い話投稿:ホラーテラー 桜雪さん
作者怖話