私の部屋は霊感のない私でさえも毎日のように金縛りになどの心霊体験をする不思議な部屋でした。
前回に引き続き、そんな不思議な部屋での話をひとつ。
男に耳元であのセリフを言われてからというもの、夜はもちろんのこと昼間でさえ自分の部屋で過ごすのが嫌になり、物を取りに行くにも小走り、寝るときは自分の部屋でなく両親の部屋、しかも母の布団で一緒に寝ていました。
しばらくの間はそれでなんとかやり過ごしていたのですが、さすがに中学生にもなって親と一緒に寝るのは恥ずかしいし、夏休みに入っていたのでやりたいことが盛りだくさんだし・・・という状況だったので、
まぁ、あの時のことはたまたまかもしれないし。
下(一階の居間)にいるとお母さんうるさいしなー。
・・・今日からまた自分の部屋で寝るか。
という安易な考えから再び自分の部屋で過ごすことに決定。
実際に霊を見たわけでなく声を聞いただけ。
そのことがヘタレでビビりな私にそんな決定を下すちっぽけな勇気を与えたのかもしれません。
その日の夜。
そろそろ電気を消そうかなーと思った時、あの男のセリフがフラッシュバックしましたが、
何かあったらお母さんのとこ行けばいいやー。
ぐらいにしか考えず、電気を消して眠りにつきました。
ふと目が覚めました。
その日はいつもより暑かったせいかノドが乾いていたので、下にジュースでも飲みに行こうかと思い電気をつけようと手を伸ばしました。
・・・?あれ??
電気つかないなー・・・!?
手を伸ばしたと思っていた私の体はピクリとも動きません。
後悔先に立たずとはまさにこのことで、パニックになりかけましたが・・・さすがに二回目ともなると開き直って少しは冷静な判断?が出来るようになるらしく、
もし耳鳴りがしたら、何か来るな。絶対。
今度は何て言われるのかな?
と考えを巡らせていました。
そして案の定、キーンという耳鳴りが始まりその時はやってきました。
今回は前回のような足音ではなく、ボソボソっという話し声が聞こえます。
・・・人の声?
あの男の人かな??
いや、まてよ・・・!?
その話し声は一人などではありませんでした。
徐々に声は近づいてきます。
・・・てるんじゃない?
め・・・ないよ?
・・・・だろ。
明らかに前回と違う展開に少しずつ焦りだす私。
どーすることもできず冷や汗ばかりがポタポタと額から流れ落ちます。
するとふいに・・・
まだ寝てるんじゃない?
でも、目開けてないよ?
寝てるフリしてんだろ。
という三人の声がハッキリと聞こえました。
声の主は、女・少女・前回の男のようでした。
・・・へ?
もしかして・・・私のこと??
会話の内容があまりにも普通・・・というか、幽霊がする会話じゃないだろっ!と呆気に取られていると、ピタッと声が止みました。
次の瞬間、腕を掴まれた感触と共に男の声が聞こえました。
寝たふりしてんじゃねーよ。
どーせ、起きてんだろ?
俺は・・・
諦めないからな・・・
気がつくと朝になっていました。
あまりにも怖すぎて気を失ってしまったようです。
昨日の出来事を思いだし、やっぱりこの部屋怖っ!!と思いながら着替えていると、二の腕がなにやら赤くなっています。
・・・?なんだろ??
と不思議に思い、よーく見てみると・・・
手の形がくっきりと浮かび上がっていました。
怖い話投稿:ホラーテラー ルーシー7さん
作者怖話