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中編3
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手帳の中身

またまた、ビビりの福岡県民です。

今回は、バイトしていた学生時代の不思議な体験談です。

今でもそうですが、昔から人と話をするのが好きで誰でも捕まえちゃバイト中に話していて、よく店長(おばちゃん)に

『あんた副店長でしょ!』と怒られていました。

ま、それでもバイト先の酒屋っつうのは近くにスーパーがあるから1円の売価の違いでシビアになる部分がありました。

ビールなど酒税がかかる商品は、安売りに限界がありますから…

それは、お歳暮の忙しい時期に起きた出来事です。

俺は学生ながらも店長と知り合いということもあり、副店長に任命されており

売場は全て任されてました。

と、言っても俺もバイトだったし やってる仕事内容は指示を出すか出さないかだったから

名ばかりの副店長でした。

そんな俺をあるバイト君が

『副店長!すいません!』と呼ぶ。

声のする方に行く。

店はでかく、バイトくんも8人いた。

社員はいない。

ま、店長ぐらいかな。

その日は、店長、俺、バイトくん2人だった。

『はい!どうされました??』

バイト君の横に、綺麗な女性が2人と…さっきから気にはなっていた3歳くらいの男の子がいた。

気になっていたのは、走り回っていたからだ。

だって酒の販売ということは【瓶】がいっぱいあるわけですよ。割れるのが心配だから酒屋に子供はいらない。

どうせなら未成年は入店すらお断りしたい。

バイト君が『何か、人にあげる焼酎を探してるそうで…どれがいいですかね??』

綺麗な女性の横でバイト君の目がキラキラしている。

…ま、確かに美人やけど どちらかは人妻だぞ。

あのくそガキのママだろ。

と、その二人を見ると目鼻立ちが似ている…

姉妹かな…同じ系統の顔か…

芸能人で言う、ハセキョーを少しギャル風な感じ。

しかも身長が高い。

俺と同じくらいかな…175はありそうだった。

でも、金髪の方が若く見えた。

黒髪の人が姉っぽかった。

『お供えしようかと思うんですが…』

黒髪の姉らしき人が言う。

供えるなら日本酒だろ普通…

でも、南九州じゃ

よくある話なもんで…

なんだかんだで話をしていると、仏壇に供えるらしい。

故人が【黒霧島】(芋焼酎)を好きだったこともたり

黒霧島の一升瓶を2本を紐でくくり、会計した。

そして、お歳暮も購入して送り状を書いてもらい

6つのビール化粧箱の分も会計した。

3人が帰り、バイト君が

『さっきの人、綺麗でしたね…』と、笑顔でテンション高めに話してきた。

ま、歳暮の時期だから

『ほら、働け!』と、話していると

さっきの3人のうちの黒い髪の人が戻ってきた。

『す、すみません。』

小走りに店に入ってきた彼女は手帳を、なくしたみたいで店に戻ってきた。

『どんな色の手帳ですか?一応、隣のスーパーにも聞いてみますので…』

茶色の手帳だと言うので、一応連絡先だけ聞いて帰った。

店内探すけど、手帳は見つかりませんでした。

隣のスーパーもなかったそうです。

それから、数日後

あの黒髪の女性の母親と名乗る女性が来店した。

どうも手帳の件らしい。

一応、連絡先を聞いたときと送り状を書いてもらったときに名前を覚えていたので

母親が来店したときに、名前を聞いてすぐわかった。

『娘の件で…』と、母親が口を開いた。

手帳が見つかったかと思ったら、話の内容は全く違うものだった。

『あの…娘から、お酒が届いたのですが…娘は2年前に亡くなっています。』

は?

いやいや、嘘でしょ。

最初は、信じれなかった。

話を聞いていくと、どうも姉妹と姉の息子を乗せた車がトラックと衝突して全員亡くなったそうだ。

父親は7年前に脳梗塞で亡くなっていて、焼酎が好きだったから命日の11月中旬にお酒を買いに来て送ったのでは…

そういう話でした。

亡くなっても尚、父親に酒を買いに来たのか…

そして、涙ながらに母親が手帳を差し出した。

これが、娘ですと茶色の手帳の中には 家族みんなで撮った写真や子供と撮った写真などがあった。

大切な手帳だった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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