昔聞いた話です。
あるところに1人の少女がいました。
少女が小学校に入学したとき、両親はお祝いに彼女に子犬をプレゼントしてくれました。
一人っ子だった彼女は子犬を本当の兄弟のように可愛がり、やがて時が過ぎていったのです。
ですがやはり人間と犬……10数年がたち、少女が成長し女性と呼べるような年齢になったとき、その犬は家族に見守られながら静かに息を引き取りました。
ずっと一緒だった愛犬を亡くし、声を枯らして泣いた後、彼女は犬を家の庭に埋めお墓を作ってあげました。
すると、次の年から不思議なことが起きるようになりました。
それは犬のお墓から植えてもいないのに毎年綺麗なオレンジ色の花が咲くようになったのです。
彼女は
「この花はきっとあの子の生まれ変わりに違いない。」
とその花を大事にし、毎年花を咲かすのを楽しみにしていました。
しかし、ある年だけ、不思議とその花はオレンジ色ではなく真っ白な花を咲かせたのです。
…その年というのは彼女が結婚し、純白のウェディングドレスを着た年だったそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー うなぎさん
作者怖話