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短編1
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昔話

昔々の

テレビの中でのお話です。

息子を亡くした男がいた。他に家族はいない。

あまりに寂しい男は、毎晩酒を煽った。

墓参りもしなかった。

ある夜、そんな男の元に客人が訪れた。

死んだはずの息子だった。

戻って来たのかと喜ぶ男、しかし息子はさみしそうな顔をしていた。

息子は無言のまま、何処かへと向かう。男は追いかけた。

着いた所は、宴会場だった。人々が楽しそうに酒を飲み食事をしている。

息子もそこに加わったが、息子の席には酒はおろか、料理の一つも無い惨めな状態だった。

男は周りの連中に怒りの目を向ける。

何故、誰も息子に食べ物を分けてやらないんだ。

男はハッとした、よく見るとそこには懐かしい顔が揃っている。

それは皆、亡くなった者達だった。

ここは死者達の宴会場?

では、口にしている物は全てお供え物か?

だとすれば、確かに息子は何も無いはずだ。

男は

息子の墓参りにいってやらない事を

心から悔やみ涙した。

気がつくと夜が明け、男は自分の家にいた。

その後息子の墓は、直ぐにお供え物でいっぱいになった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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