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短編2
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ハイヒール

この話は私がかつて鹿児島の某大学に通ってた頃の話です。

当時付き合ってた彼女と私は夏休みに、近くのK浜に夜、花火をしに行きました。

K浜にたどり着くには、途中から砂利道を通らなければならなく、窓から見える景色は左右ともヤブです。

その道は心霊スポットとしても有名な場所でした。

車に乗っていたのですが、肝だめし気分であえて砂利道に入り始めた所からゆっくり行くことにしました。

5分くらい経った頃でしょうか?

後方から何か音が聞こえました。

(コトッ…コトッ…)

明らか後部座席でもトランクの中からでもありません。

タバコを吸うために窓を開けてたので間違いなく外から聞こえました。

まるでハイヒールを履いた人が歩いている足音のような音が聞こえました。

砂利道なのにあり得ません。

ルームミラーには誰も映ってませんでした。

びっくりした私は、そのままK浜までスピード上げて行きました。

もちろん彼女もかなりびっくりしてました。

K浜で花火した後の帰り、同じ道を通るしかないので再び砂利道を通りました。

さっきの後なので、今度はスピードを緩める事なく走りました。

すると、今度は外からでもなく、トランクの中からでもなく後部座席の方から

(コトッ…ココトコトコトコトコトコトコトコトコトコト!)

彼女が後部座席の様子を見ると、何と下に置いてあった彼女のハイヒールが、まるでその場で足踏みするかのように素早く上下に動いていたそうです。

それを見た彼女はそのまま気を失いました。

パニックった私はとにかく早く砂利道を抜けようと思ってさらにスピードを上げました。

その後、何を思ったか私は一瞬ルームミラーを覗いてしまいました…

(カエシテ…)

何と後ろの窓には下半身の無い女性が張り付いていたのです。

(…ワタシノ…ワタシノ…アシヲカエシテ…)

女性がそう叫んでいるのがはっきり聞こえました。

あまりにも怖くて悲鳴もでませんでした。

さらにスピードを上げて砂利道を抜け、私は勇気を振り絞ってもう一度ルームミラーを覗きました。

すると、女性の姿はもうありませんでした。

しばらくすると、彼女も目が覚めて何も言わずに後ろに置いてあったハイヒールを窓から投げ捨てました。

あの女性は一体…!?

鹿児島のK浜でピンときた方。面白半分でハイヒールは持って行かない方が良いと思います。いや、絶対に持って行かないでください。

怖い話投稿:ホラーテラー ヴァルヴァさん  

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