死神5の続きです
―――――――――――――――
『いつ見ても、何回見てもこの時の人間は滑稽だ!
大の大人がだらしなく、泣きわめきながら助けをもとめる!
さぁ早く続きをしないと時間がありませんよ?』
泣きながら木曽はナイフを拾う
そして腹に刺す
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
血が床をぬらし、意識がなくなる…
そして目が覚める
“死神”が微笑ながら言う
『あと4回』
段々と木曽から表情がなくなっていった
最初は泣きながらやっていたのが
目が覚める
無言でナイフを拾い、
無言でナイフを腹に刺す…
その繰り返し
同じ動作を繰り返すそれは、まるで機械のようだった
その様子を坂本は楽しそうに見ていた
本当に楽しそうに…
6回目に意識を失い、目が覚めた時…
木曽はうっすら笑いながら言った
「へへ…どうだ死神?ナイフは終わったぞ?…」
『いやお見事です…正直驚きました』
「あとは溺死一回だな?それをやれば俺は転生できるんだよな?」
『もちろんでございます』
時間を確認する…
あと三時間以上ある…
「よし…。早く終わらせてやるこんなこと。ほら、ちゃっちゃと頼む」
坂本が指を鳴らすと、部屋に水の入った浴槽があらわれた
「…よし!」
死ぬのに気合いを入れる…
というのも変だが、自分に気合いを入れ、顔を水に沈める
…
…
ダメだ苦しい!!
「っっぷはぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
もう一度!!
…
…
やっぱり駄目だ!!
「っガハッ、はぁ、ゴホっ、がぁ、はぁ、はぁ…」
できない!
勝手に体がういてしまう!
こんなことできるのか!?
『顔出しちゃ駄目じゃないですか』
坂本が言う
「うるせぇっっ!それができたら苦労しねぇよ!!黙ってろお前は!!」
その後、何回もやってはみるが、
何回やっても結果は同じだ
最後には顔を出してしまう
木曽は座りこんでしまった
『いいんですか?死ななくて』
「時間内にやればいいんだろ?黙ってろ…」
そう言ったものの、何も解決策はない
ちくしょう…
あの女が大人しくナイフで殺られてりゃよかったんだ…
続く
怖い話投稿:ホラーテラー なかよしさん
作者怖話