男の気持ち悪い声…
「キャーキャーハウ~ハウ~」
グチョ…ビチャ…
私が幼い学生の頃のお話です。
学校が終わって夕方の薄暗い帰り道、突然、男は現れました。
真っ白な顔で赤い唇、ボサボサの髪は腰まで伸びた黒い髪…
生臭い匂いがする獣のような男。
私は無理矢理、抱きあげられ、そのまま近くの墓地まで連れていかれました。
「ハァ…ハァ…キャ~」
その男は、男のくせにもの凄い高い声で「キャーキャー」と絶叫していて普通ではない雰囲気だったので、私は殺されるのではないかと思い、涙が止まりませんでした。
男は顔が痒いのかガリガリと両手で自分の顔を掻きむしり、血だらけになりながら
「キモチ-イ-ノ~キモチ-イ-ノ~」
と言って笑っていて、私は初めて死を覚悟しました。
もう殺されるくらいなら自分で舌を噛み切って死のうと思いましたが、その時、男は爪の間に血が溜って黒ずんだ指を何本も私の口の中にグイグイと押し込んできました。
「オエッ…」
私は思わず吐いてしまいました。
すると男は
「キャー!!」
とまた絶叫し舌を出して喜びながら白眼をむいて襲ってきたのです。
制服を破かれスカートもめくられ何度も抵抗しましたが、ふと、見ると死にたくなるようなほど、おぞましい男のモノが私の中に入り込みたくさんの血が溢れ出しました。
その後、信じられない事が起こりました。
男は生臭い口からナメクジのような舌をギラつかせて私の全身を舐めまわした後、激しく痙攣して、なんと、いきなり消えてしまったのです。
私はアノ痛みをこらえて泣きながら走って家に帰りました。
今でも信じられませんが、あの男の体は人間とは思えないほど冷たく不気味だったので、次の日、親に相談すると神社に連れていかれ、御払いをしてもらうことになりました。
神主さんによると、その男はどうやら大昔、たくさんの娘を強姦して処刑された男の霊で、成仏出来ずに私に憑いていたとの事です。
あれから、男が現れる事はありませんでしたが、今でも夜道を一人で歩くのが怖くてたまりません。
しかも、幽霊に強姦されたのが私の初体験になってしまい、あの男が憎くてしかたがありません。
思い出すたびにあの男の声が頭の中で鳴り響きます…
「キャ~!!」
もう嫌っ!!
怖い話投稿:ホラーテラー 百合さん
作者怖話