私の親父は、子供の頃に踏み切り近くの長家に住んでいました。
そんな親父の体験談。
夏場、家族で夕飯を食べていた時、「キキィ〜」
けたたましい音の後に、「ドスン」と響く音。
人身事故です。
当時幼かった父曰わく、まさに地獄絵図だったそうです。
遺体は飛び散り、長家の庭にまで肉片が飛んできたとかで、
ある家では食卓に肉片が飛び込んできたそうです。
話は飛びますが、当時のトイレは今とは違い、
渡り廊下の先の離れにありました。
しかも、トイレの窓からは丁度竹藪の先の踏み切りが見渡せる状況。
親父は夜中トイレに行くのが何よりも苦痛だったそうです。
蒸し暑い夏、夜中トイレにに行くと「ガサガサ、ガサガサ」という音が、
誰も居ないはずの竹藪から聞こえて来るのだそうです。
「散らばった自分の体を探してたのかもな」
親父は静かに、しかし確信に満ちた顔でそう語っていました。
怖い話投稿:ホラーテラー 午後はまげろたかしさん
作者怖話