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短編2
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憑き夢

同じ夢を毎日みる。

そんな経験はありませんか?

私はあります。

これは私が体験した、夢に関係した話です。

その日は学校が休みで、暇でだらだらしていた私は買い物にでも行くかぁ・・・と家をでました。

買い物も済み、ふらふらと家へ帰っていると突然心臓に強い痛みを感じ、歩けなくなってしまいました。

焦りながら前を見ると、いつのまにか目の前に虚ろな目をした男が立っているのです。

その男は口をパクパクさせているとおもったら、いきなり私に飛びついてきました。

驚いて目をつぶり、恐る恐る目を開けると、そこにはもう男はいませんでした。

そのころには心臓の痛みも消えていた私は、急いで家に帰ると、布団を被り寝てしまいました。

同じ夢を見始めたのは、その日からです。

夢の中で私は母と姉のことを殺したいほど恨んでいました。

実際私には母もいますし、姉もいるんですが、仲も良く問題なく生活していました。

なので夢の中とはいえ、自分の感情が信じられませんでした。

そして夢の最後に

「・・・のに・・・」

と聞こえるのです。

そんな夢を毎日見ていると、母と姉に対する感情もおかしくなっていき、話すのも億劫になっていきました。

たかが夢ですが、毎日毎日同じ夢を見ていると、暗示のように現実との区別がつかなくなっていくものです。

その夢に、唯一変化していくことがりました。

最後の「・・・のに・・・」の部分がだんだん聞こえるようになっていき、一週間もしたころには「・・・たかったのに・・・」と聞こえるようになってきたのです。

その頃にはもう怖くなり、眠るのも嫌になっていました。

そして思いついたのが、あの男に憑かれているんじゃないか・・・ということです。

なんだかこの夢を最後までみてはいけないような気がしていた私は、知り合いのお寺で御祓いをしてもらうことにしました。

そうすると、もうその夢をみることもなくなったのです。

お寺の方に色々話してみたところ、「その夢が最後まで完成していたら危なかったかもしれない・・・あの男に完全に憑かれてしまっていただろう」そんな感じのことを言われました。

あの最後の言葉は、皆さんも予想していたでしょうが、「殺したかったのに・・・」だったのだろうと思います。

それを夢の中で聞いていたら、私の自我はなくなってしまっていたのかもしれません。

そして母と姉に何をしていたかわかりません・・・。

それ以来、二日続けて同じ夢をみただけでも、私は怖くなってしまうようになりました。

あまり怖い話ではないかもしれませんが、私にはとても怖い体験でした。

長文失礼。

怖い話投稿:ホラーテラー 李欧さん  

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